マイラブ！ふぁんたちゃん (ページ9)

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くるくる、前髪センター分けで！ページ9

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「慧人さん」

慧「お願いします！」

名前を呼べば、語尾にキラキラを付けながらそう発した慧人くんと鏡越しに目が合う。手招きされたので近くに来たら、今日はAさんにセットやってもらう～！とのことで…

「いや、私ヘアメイク担当じゃないんです、知ってますよね？！」

タケさんに、やってもらってください。黎弥くんをセット中のタケさんを指しながら、そう丁寧お断りしたのだけど、うちのけいちゃんどうやらご不満の様子。

慧「タケさんはいいよって言ったもん」

「なんで？！」

訴えの目を向けると、タケさんは目線でごめんね～って謝ってくる。面倒だから押し付けたパターンですね？ちなみにタケさんはよくうちの子たちに付いてくれるスタイリストさんだから、私も含めてみんな仲良しです。

「ねえ、なっちゃんとか大樹くんに…」

慧「(ニコニコ)」

「あ～わかりました！今日だけだからね？！今日だけたまたま時間あるだけだからね？！」

慧「やった～」

「絶対、タケさんにやってもらった方がかっこいいのに。知らないですから！」

慧「大丈夫、Aさん上手だもん」

120けいちゃん出ちゃいます！ってキラキラマイル。可愛い。可愛いって分かっててやってても可愛いって思っちゃう、ずるい！

「慧人くん、くるくるですか？前髪はあげますか？下ろしますか？！」

慧「すごい質問攻め！」

「タケさんみたいにぱっと出来ないので、順を追ってやらないと」

慧「なるほど、じゃあくるくる、前髪センター分けで！」

「げっ、難しいやつ」

文句言いつつ、実は髪の毛とかいじるのは好きで、コテとか持つと楽しくなっちゃう。慧人くんの髪はふわふわで巻きやすい。仕方ない、今日はA美容院オープンです。

慧「わー！Aさんノリノリ～」

動かないで！って慧人くん抑えてると、とことこやってきた勇征くんは私の横に立つ。

勇「慧人ずるいー！Aさん、」

「ごめんさない、今日はもういっぱいでーす」

勇「え？！なんで言いたいことわかったの？！」

エスパー？！と騒ぐ勇征くんを他所に、じゃあAさん明日も予約～とちゃっかりさんな慧人くん。いや、今日だけ限定ですから！ていうか、プロいるんです、プロにお任せしてください！

世「マネージャー困らせるな～」

「世界さぁ～ん！もっと早くその一言くださいよ」

世「ごめんごめん、おもしろくて」

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