◎ ページ12
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「中島くん、ワックスつけてる?」
「少しだけ。…ベタベタする?」
やば、嫌だったかな…。
「んーん。なんかいいにおいする。」
よっしゃー!
って、心の中でガッツポーズ。
もう絶対絶対、ずっとこの匂いにする!
決めた!
さわさわと髪をいじられる感覚がくすぐったい。
「ん、これでどうかな。」
こっち向いて?と促され、視線を上げると目が合った。
「よし、おっけー。
元通りのイケメンになりましたよー。」
そうして満足そうに微笑んだ。
だけど、
「ねぇ、先生、その言い方ヤなんですけど。」
「え、うそ?素直に褒めてるのに。」
きょとんとする先生に
「なんか“顔だけ”みたいで、やだ。」
そう言うと、
先生はなるほど、と頷いて。
それから、ごめんね、と謝った。
「じゃあ中島くんのこともっと知りたいから、
気を悪くしないでまたおしゃべりに来てね。」
そう言って、また保健室行きのチケットをくれたんだ。
*
「ヤマってさ、時々お腹いたいフリして保健室でサボってんだってね?」
休み時間、教室でヤマを捕まえて先生から教えてもらったことを告げると
彼は思いっきりゲェ!という顔をした。
「もー!裕翔はくそマジメだから絶対言うなって言ったあったのに!」
「何だよそれ(笑)」
悔しそうに口を尖らせるヤマに、思わず吹き出した。
「まぁいいや。
でさ、今度ヤマが保健室行くとき、俺も一緒に行っていい?」
「……へ?」
「たまには俺もサボりたいなーって。」
「え?ゆーと、まじで言ってる?どーしたの?
反抗期なの?勉強しすぎておかしくなっちゃった?」
分かりやすくオロオロするヤマが可愛い。
「違う違う。
たまにはそういうのもいーかなぁって思っただけ。」
ほんと言うと、“だけ”、ではないんだけど。
しっかり存在しはじめている下心は、まだヤマには明かさない。
また先生と話したいって思ってる自分がいて。
そのための理由なんてなんでもよかった。
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あいと(プロフ) - このさん» ありがとうございます!!泣 不定期、というか、書けたときに更新するという感じになるので、またこのさんが忘れた頃になにか更新してるかもしれません笑。これからもよろしくお願いします☆ (2020年7月7日 7時) (レス) id: 6689a85a28 (このIDを非表示/違反報告)
この(プロフ) - あいとさん!もう書くのを辞められたのかなって思っていたので、更新があってすごく嬉しかったです!!!!あいとさんの作品が大好きでこれからも、ずっと読み続けます!! (2020年7月5日 23時) (レス) id: 2ec27d7b3e (このIDを非表示/違反報告)
あいと(プロフ) - 遥さん» こんな更新の仕方しかできなくて、読んでもらえるだけでありがたいのに、そう言ってもらえるなんて恐縮です(/ _ ; )ありがとうございます!!超スローペースですが、今後もよろしくお願いします☆ (2020年6月27日 22時) (レス) id: 6689a85a28 (このIDを非表示/違反報告)
遥(プロフ) - 占ツクの作品の中であいとさんの作品がダントツで大好きです!気持ちを抑えきれない裕翔くん可愛かった…あいとさんのペースで他の作品の続きも書いてもらえると嬉しいです☆ (2020年6月25日 23時) (レス) id: d8f11fe701 (このIDを非表示/違反報告)
あいと(プロフ) - coさん» わぁー!こぉさんありがとうございます( ; ; )こんなお話まで読んでいただけるなんて、お恥ずかしや…(笑)やまちゃんは生意気かわいいって感じにしたくなっちゃうんですよねぇ♪ (2020年6月21日 23時) (レス) id: 6689a85a28 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あいと | 作成日時:2018年8月5日 14時