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途方もない羞恥心に両頬を往復で叩かれたような気分になり、熱くなる頬とは反対に指先がすうっと冷え切っていく。往生際悪く飛び出す言い訳や弁解が本当にみっともないと思った。
「私、わたし、楽しい話なんてできないです」
「ん？」
「冗談だって通じないし」
「……」
「一緒にいて面白いことなんてないのに」
「………」
「ほんとに、こんな、平気なんですか？ど、どうして、私と二人で」
下を向いて、目をぎゅうと瞑って、彼がどんな表情をしているのか、その問いから必死に逃げる。また呆れられてしまう、救いようがない、つまらない人間だと思われてしまう。ゆるやかに拭く風さえも、私を責め立てているようで恐ろしかった。だけれど、そんな私の言葉を遮る声は存外穏やかだった。
「あのさ」
「は、っい」
「オレずっと聞いてるから」
「……」
「続けなよ」
「………ぁ…」
「コケとキノコが、なんだって？」
ずっと聞いてるから、続けなよ。
喋り下手に対してこれ以上ない慈悲の言葉が、急速に温められ、そして冷やされた身体に染み渡っていく。幾度となく向けられる気遣いがどうしようもなく嬉しくて、むずがゆい。
「……わ」
「わ？」
「忘れちゃった……」
「は？」
「頭まっしろです」
「忙しいヤツだな」
顰められた眉やじとっと下がった瞼、想像していたそれとはかけ離れた、うっすらとした微笑みが真っすぐ向けられる。なんでも重く受け止めるな。そう言われたけれど、私はこんなこともなんてことない出来事として消化しなければならないのだろうか。やっぱり彼から与えられる言葉や、向けられる表情全てが、私の中では大スクープで、大見出しなのだ。
そうしてもだもだと考え込む私はやっぱり置いてけぼりにされて、彼が新しく持ってきた話題に空気を塗り替えられてしまった。真っ白になってしまった私の頭の中にゆっくり流し込むように、彼はたどたどしく語り始めた。
「……こうして迎えに来たのは」
「…？」
「一昨日の奴らにたぶん、通ってる塾はバレてるから」
「えっ……」
「いーんちょ制服だったし、学校もたぶんそのうちバレる」
「……ぁ…」
「穏便に済ませられなかったのはオレのせい」
「だから黙ってついて来い」「気遣いとかいらねーから」「ちゃんと責任取る」ぶっきらぼうに放たれたその言葉が、また新しい見出しとなって、私の中の本の一ページに加えられていった。なんだかもう、お腹がいっぱいだった。
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みな(プロフ) - 防弾チョッキ（初心者）さん» コメントありがとうございます！読んでいる方にこう思ってほしいなあと漠然と考えていたことをそのまま言っていただけてとても嬉しいです😢丁寧に読んでくださりありがとうございます。これからもゆるゆると交信していきますので、よろしくお願いします！ (2022年10月17日 3時) (
レス) id: bc85aa6a91 (このIDを非表示/違反報告)
防弾チョッキ（初心者） - 途中口悪くなって申し訳ありません！！長文失礼しました！！ (2022年10月10日 16時) (レス) id: 16da95312d (このIDを非表示/違反報告)
防弾チョッキ（初心者） - なんか呼んでて情緒不安定にな”るよぉおお！！！！（←どうした）早くくっつけよ！！！でも1話で二人が離れてるような気がするよ！！！イラストの方にもコメントしたいけどピク○ブやってない（泣）！！とりあえず夢主ちゃん可愛くて好きです！！！応援してます！！！ (2022年10月10日 16時) (レス) id: 16da95312d (このIDを非表示/違反報告)
防弾チョッキ（初心者） - コメント失礼します。とても面白いです。夢主ちゃん可愛いし、マイキーかっこいいし、そんなお二人を見守る皆さんが面白くって・・・それに二人の関係もなんだかもどかしくって、お話も読みやすいけど少しふわふわしてて、でも読みやすいし、作者様の語彙力がやばいし、 (2022年10月10日 16時) (レス) @page29 id: 16da95312d (このIDを非表示/違反報告)
まめ(プロフ) - 平凡𝟘𝟙𝟚さん» コメントありがとうございます！いーんちょちゃん我が子のように可愛がっているので嬉しいです！これからも何卒よろしくお願い致します！ (2022年9月1日 0時) (レス) @page26 id: e02a633284 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みな | 作者ホームページ：https://mobile.twitter.com/nymn624
作成日時：2022年5月1日 18時
