君の笑顔が見られたら (ページ31)

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78話ページ31

千冬side

占いの後からずっと落ち込んでいる真壁
今も班の奴らと合流するため土産屋に向かっているが、先ほどまでの元気はなくトボトボ歩いている

気持ちは分からなくもない
大好きな人とのこれからを全面的に否定されたのだ

真壁の悲しい顔を見てたら、胸がズキズキと痛くなって俺が泣きたくなってくる

「真壁。占いなんか当たらないことの方が多いんだぞ。さっきお守り買っただろ？占いなんかより神社のお守りの方が効力強いって」

ほら、顔あげろと片手で両頬を挟むように顎を掴んで顔を無理やり上げさせる

「……いひゃい、」

ふふと頬を掴まれたまま笑った
掴んでた手を離すと、松野くんありがとうとまだ悲しさが残る笑顔でお礼を言われた

「…まだ修学旅行は終わってねーんだから、楽しめよ」
「うん…」

土産屋に着き、同じ班の奴らと合流する
そして俺は、携帯を忘れたと嘘をついてもう一度あの場所へ戻った

．

「あれ？さっきの学生さん、どうしたの？」
「はあ…はあっ……あのっ…さっきの、」
「…息整えてからでいいよ」

ダッシュで先程の占い師のところへ戻ってきたため、息が上がってすぐに言葉が出てこなかった。
何度か深呼吸して息を整えて、目の前の占い師に向き合う

「あの、さっきの取り返しがつかなくなるってどういうことですか？」
「…君、さっきの女の子のことがすごく好きなんだね」
「は！？」
「占わなくてもわかるわ」

俺を揶揄うように笑う目の前の占い師に少し苛立つ
こっちは真剣に聞いてるのに、何笑ってんだよこいつ

「好きならさ、あの子のこと守ってあげてね」
「は？」

「あんなにはっきりと死相が出てる子は久々に見たよ」
「は？しそう？……え、死？」

は？嘘だろ、真壁、もしかして

「あの子、あのまま今の彼氏と付き合っていたら、その彼氏が原因でそう遠くない未来…死ぬよ」

頭が真っ白になった

うまく呼吸ができない

いつも息ってどうやって吸ってるっけ？

「……はぁ、はぁ」

「助けたいんだったら、できるだけ早めに別れさせな」

真壁、死ぬのか？

マイキー君が原因で？

いや、たかが占いだ…
何を信じることがある

絶対デタラメ言ってるだけだ、

だけど、どうしてだろう

本当にそうなってしまうような気がして心臓が凍りつく

『死ぬよ』

血だらけで横たわっている真壁の姿が脳裏に浮かんで、吐き気が込み上げた

．