君の笑顔が見られたら (ページ24)

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71話ページ24

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「Aの全部、俺にちょうだい」

佐野くんの言葉の意味はなんとなく分かった

頭の中は…初めてだし、まだ昼間だし、今日どんな下着つけてったけ？とかぐるぐると思考がまとまっていなかったのに、光のない真っ暗なその瞳に見つめられると口が勝手に動いてしまうんだ

「………いいよ」

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そこからの記憶は全然ない
やっと脳が正常に機能したと思ったら、私も佐野くんも生まれたままの姿でベッドの上で身体を寄せ合っていた

佐野くんの肌が直接、私の肌に触れてて恥ずかしくなってくるが、温かい体温はとても心地よくてもっとくっついていたいとか思ってしまった

疲れ果ててぐっすり眠っている佐野くんの顔をぼんやりと見つめる

心の底から幸せだなと思った

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私たちは、お互いを運命の相手だと信じて疑わなかった。

でもさ…運命の相手とは一度別れて、その後必ず結ばれるって聞くけど

私たちの、その後はいつ来るんだろうね

『ずっと一緒だよ』
『俺が18歳になったら結婚しよう』
『ふたりでお祭りなんて、来年でも行けますし』

全部、ただの絵空事になった

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