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そして、こんな長い回想ももう終わり。
“今の私たち”にまで至るわけだ。
あの日の私たちは20。
今の私たちは29。
不思議と、翔太とはまだ関係が続いている。
そんな言葉をいつしか呟いた気がするけれど、本当に驚くほど、遅いようで早いような9年間だった。
渡辺翔太Aーふっかと呑んでるけど来ます?
そんなメッセージがスマホに来て、
Aちょうど報告したい事あるし、行くー
と、仕事帰りと電車に揺られながら、返信をした。
翔太は、ちょうど2年ほど前についにメジャーデビューを果たした。おまけにふっかも。
言い換えれば、私が今の彼と付き合い始めた2年後に、デビューを果たした。
レコードショップに並ぶ見慣れた顔に、「へんなの」と一人で呟きながらも、並んであるすべての形態のCDを買って帰った。
見違えるほどに遠い存在になっていく2人だけれど、変わらず私とは友だちでいてくれた。
そして、そんな私は結局、4年もあの後輩と付き合っている。
昨日、プロポーズまでされた。
翔太とは違って、
頭も良いし、気が効くし、「くははは！」なんてだらしない笑い方しないし。
いつも私のことを正しい方へ導いてくれるような、そんな素敵な人。
薬指にはめられた指輪は、自分自身とのコントラストのあまり、痛々しいほどに輝いていた。
電車を降りて、翔太とふっかが呑んでいるという、“東西線のひとつ隣の駅”に向かう。
また、春だ。また、桜が散っている。
冷たいアスファルトの上を、コツコツと、乾いたヒールの音を響かせて歩いた。
この春は、翔太と出会って10回目の春だ。
何かと、春が来る度に決まって思い出すのは、翔太と過ごした時間だった。
付き合っても無いし、大した恋愛でもないし、おままごとみたいな、しょうもない両思いだったけれど、
私の気持ちはいつもそこに留まっていたように思う。
それでいて、このおよそ10年間は、まるで長い
いつの日かも思ったように、今も尚思う。
私の10年間の思い出の隣にはいつも翔太が居て、
苦楽を共に乗り越えて、
そんな長い長い
何かの本か格言かで、
“幸せになるなら、2番目に好きな人と結婚するのが良い”
と聞いた。
それが今なら分かる気がする。
こんな事言ったら、今の彼はどう思うだろうか。
「A、何言ってんの」と、鼻を鳴らして笑うだろうか。
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みるく?(プロフ) - minmin様 終わらせて、マイジャーニーすごく良かったです。お互いがひっそりと恋してるのにきゅんとしました。最後の終わり方にもドキドキしました！これからも楽しみにしてます。 (10月17日 21時) (
レス) @page32 id: d41930f707 (このIDを非表示/違反報告)
minmin(プロフ) - はみさん» はじめまして！コメントありがとうございます^_^ これからも楽しんでいただけるよう、頑張りますね！ (2022年3月18日 2時) (レス) id: 1eb423545c (このIDを非表示/違反報告)
はみ - 作者様、いつも作品見ています！はじめまして、はみです！作者様の作品は全て見てるのですが、推しの💙さんの作品ができて大歓喜です。文才がえぐい😭更新楽しみにしてます！ (2022年3月17日 20時) (レス) id: 846f01110c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：minmin
| 作成日時：2022年3月14日 3時
