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素直になれない。
なんて、翔太ばかりに押し付けるように言い続けてきたけれど、私だって、素直になれていないじゃないか。
「Aは仕事以外どうなの？職場ではうまくいってんの？」
自分の話が嫌になったのか、私に話を振る翔太。
私はしばらく息をついた後に、
一言。
「私、告白されたんだよね」
この時の私は本当に、翔太が言う通りバカで。バカで仕方なくて。
職場の後輩に告白されなことを翔太に伝えて、焦って遠回しに付き合ってくれたりとかしないかな？なんて、甘い期待を抱いて、こんなことを言ってしまった。
「会社の後輩で、仕事デキる子でさ。返事は迷ってるけど」
今思えば、こんなこと言ったところで、何になるのかと問いたいけれど。
その時の私を引き止めるための言葉など、何も出てこない。
翔太の顔なんて、見れないに決まってる。
「そうなんだ」
そう、小さく呟いた翔太の声が聞こえる。
「…へぇ……良いんじゃない？Aのこと、幸せにしてくれそ」
翔太の震えた声。
まさか…なんて思った。
私は声を詰まらせて。
まさか、良いんじゃない？なんて言われると、思わなかったし。
だけど今思えば、そりゃそうだ、と思う。
隣を見れば、翔太はぐすっと鼻を啜っていて、
え、泣いてる？って、思わず顔を覗き込みそうになってしまうけれど、そんなことできるわけもない。
「…先言っとくけど、俺花粉症だから。」
「…あ、そう」
そんなかわいい言い訳をした翔太は、「ふっ…ぐす…」とあからさまに息を呑んでいて、そんな音すらも春風は掻き消していた。
「あの、翔太」
「俺のこと待っててくれてありがと」
「私は翔太と一緒にいたい」と、伝え直すつもりが、そう翔太に遮られた。
「俺、デビューできるかわかんねえし」
「…」
「たぶんソイツと付き合った方がAのためだわ」
そう言った翔太と、側で目が合う。
目いっぱいに涙が溜まっていた。
それはもう、溢れてこぼれ落ちそうな程に。
「あ、翔太。あのね」
「ちょっと、俺、帰る」
そんな翔太は、私のことも聞こうとせずに、私のことを置いて帰った。
夜風が川の上を走って、それに沿うようにキラキラと水面が輝く。
私の目も涙で潤い、水面が眩しい。
5年間、待ったのが嘘みたいに、一つの恋の区切りはあまりにも呆気なかった。
まるで、その5年は
これからの5年だって、そうだった。
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みるく?(プロフ) - minmin様 終わらせて、マイジャーニーすごく良かったです。お互いがひっそりと恋してるのにきゅんとしました。最後の終わり方にもドキドキしました！これからも楽しみにしてます。 (10月17日 21時) (
レス) @page32 id: d41930f707 (このIDを非表示/違反報告)
minmin(プロフ) - はみさん» はじめまして！コメントありがとうございます^_^ これからも楽しんでいただけるよう、頑張りますね！ (2022年3月18日 2時) (レス) id: 1eb423545c (このIDを非表示/違反報告)
はみ - 作者様、いつも作品見ています！はじめまして、はみです！作者様の作品は全て見てるのですが、推しの💙さんの作品ができて大歓喜です。文才がえぐい😭更新楽しみにしてます！ (2022年3月17日 20時) (レス) id: 846f01110c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：minmin
| 作成日時：2022年3月14日 3時
