運命の人 ページ42
＊歌詞ではなくMVをイメージしてお読みください
NJ「あの…落としましたよ…」
駅のホームでそう声をかけられて振り返ると
長身の男性が私のスマホを片手に持っていた
『すいません…ありがとうございます！』
そう言ってお礼を言うと
NJ「無くさなくって良かったです！」
そう笑顔で返してくれた
その笑顔に見とれていると
彼のスマホが鳴り
彼は私に向かってお辞儀をすると
流暢な英語を話しながら
電話をしていた
…私とは住む世界が違う
そう思いながら胸の高まりを抑えていた
朝からの満員電車
電車が少し揺れた時に
隣の人とぶつかった
『すいません…』
そう言うと
NJ「偶然ですね！」
頭の上から聞こえてきた声に顔をあげると
あの日スマホを拾ってくれたあの人の姿
通勤電車の憂鬱な時間が
気づけばとても楽しい時間に変わっていた
仕事が終わって家に帰る
そんな時に彼からの連絡が来る
仕事で疲れているはずなのに
その画面1つで笑顔になる
また明日が楽しみになる
彼の存在で私の生活に色がついていく
幸せな気持ちになりながら
私は今日も疲れた身体をベッドに預ける
彼との初めてのデート
天気のいい日に公園を散歩する
私の作って来たサンドイッチと
彼の買ってきたコーヒー
ベンチに座りながら話をする
隣り合わせの微妙な距離がもどかしい
でも夕暮れ時には歩きながら
どちらともなく手を繋いだ
そんなことでくすぐったい気持ちになり
顔を見合わせて笑いあった
季節は過ぎて雪降る夜
私はベンチで待っている
目の前にはクリスマスツリー
後ろからの目隠しに笑い
私の膝に何かが置かれる
目からあなたの手が離れれば目の前には
輝くダイアモンド
NJ「ずっとこの日が待ち遠しかった」
後ろからそう伝える貴方には
私が泣いていることは気が付かないのかな？
『ありがとう』
震える声で伝えると
慌てて私の目の前に来るあなた
こんな日が来るなんて思ってもいなかった
あの日にあなたに出会わなければ
そう思うとこれまでの事が走馬灯のように
思い出されてくる…
私の指に指輪をはめるあなたを見つめてながら
あの日あなたに出会えたことは
運命なんだと思う
きっとあなたは最初で最後の
私の運命の人
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作者名：雅 | 作成日時：2020年2月2日 22時
