成功作の兄、失敗作の妹 (ページ9)

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No.9 ページ9

｢ありがとうございました｣

ペコッと一礼して保健室のドアを閉める

リカバリーガールに治癒してもらって火傷は跡形もなくなっていた

せめて少しくらい残ってくれてたらよかったのに

｢あの、爆豪…くん。ありがとう｣

｢あ？｣

｢助けてくれて｣

｢別に、気になってるやつが困ってたら助けるのが当たり前だろーが｣

｢へ？｣

爆豪くん、今なんて？

気になってるやつ？

気になってるってどうゆう意味で…

｢ﾁｯ、今の忘れろ｣

｢あ、はい｣

｢お前名前は｣

｢え、あ。とど…。｣

｢あ？｣

｢Aだよ｣

何故か爆豪には苗字を教えたくなかった

あの時食堂でお兄ちゃんのことをお兄ちゃんって読んでる時点で気づかれてると思うけど

別にこの家が嫌いってわけでもない

ただ、私は私として接して欲しかった

お兄ちゃんとは中が悪そうだったから

｢爆豪勝己｣

あ、はい。

爆豪に教室まで送って行ってもらい、午後の授業を受け家に帰った。

家に帰り玄関を開けるとそこにはお兄ちゃんがいた

｢ただいま｣

｢おかえり｣

｢うん｣

｢おい、手｣

お兄ちゃんは私の手を見ながら大丈夫なのかと聞いてきた

火傷のことだろうか

でも、お兄ちゃんが私の心配するなんて…

｢大丈夫だよ。私熱には強いから｣

私が笑ってそう言うと、お兄ちゃんは私の頭を撫で、無理はするなと言って部屋に戻って行った

な、なんで、なんで？

なんでお兄ちゃんが私の頭撫でるの？

明日は槍でも降るのかな