まいはうす。 (ページ18)

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■オモテとウラ。ページ18

伊野尾side.

さっきから、大ちゃんが何かを隠してる。

嘘つくの,,,下手だな。

でもきっと、隠しているのは大ちゃんじゃなくて

裕翔なんだろうけどね。

俺だって、今日の朝から裕翔の様子がおかしいこと

気づいてたんだけど

そっとしておいた方がいいかな、と思って

何も言わなかった。

でも、夜になってもますます調子が悪そうで

声をかけようとしたところで

大ちゃんが動いた。

さすが、よく人のこと見てる。

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それで、夜部屋に行くふりをして

ドアの裏で耳をすませてたら

微かにだけどゴソゴソする物音。

暗いリビングに入ると

冷蔵庫の前には小さい人影。

やっぱり、大ちゃん。

俺に気付いて振り返った大ちゃんの手には

水や冷えピタ。

もうどんな言い訳だってできなくなっちゃって

結局俺とふたりで裕翔の部屋へ向かった。

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有「...気づいてたの??」

伊「うん。裕翔の体調には朝から。

　大ちゃんが隠し事してるのは

　夜ごはん食べ終わったときくらいから。」

有「そう。」

伊「大ちゃん、分かりやすすぎ。」

有「単純ですいませんね。」

伊「大ちゃんのいいとこだけどさ。」

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部屋に入ると

ベッドで小さく丸まっていた裕翔。

その顔色は

熱を出して赤いかと思っていたのに

青ざめていて。

びっくりしたけど

すぐに夜ごはんのときの裕翔の表情を思い出して

吐きそうなのかな、と思った。

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伊「裕翔、吐きそうか??」

有「夜ごはん、無理してたもんね。」

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聞いてみたら、声を出さずに小さくうなずいた裕翔。

どうもトイレまで行ってると

みんなにもばれちゃうし

それより間に合わなそうで

近くにあったビニール袋をゴミ箱にかぶせて

そこに吐かせた。

そしたら

夜食べた物は何も消化されていなくて

ずっと苦しそうに吐いてる裕翔。

俺はそんな背中をさすることしかできなくて。

大ちゃんはずっと

「大丈夫だよ、上手上手。」

って声をかけてる。

30分くらいしたのかな。

ようやく落ち着いた裕翔は

ぐったりしてそのまま俺のもとに倒れこんできた。