まいはうす。 (ページ17)

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■オモテとウラ。ページ17

大貴side.

普段の夜ごはん。

みんな、部活やらバイトやらから帰ってきて

山田の作ってくれたおいしいカレーを

楽しく会話しながら食べていた。

そんな中、会話に参加しようとしない人が

ひとり。

それも、めずらしい人が。

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有「どうした??裕翔。」

中「ん??」

有「何か、元気なくない??」

中「そんなことないよ。

　部活で疲れてるだけ。」

有「そっか。ゆっくり休めよ。」

中「そうする。」

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部活頑張ってるもんな。

そりゃ、疲れててもおかしくない。

そう思ってたんだけど

何だかごはんも無理やり詰め込んでる感じがするし

その後みんなとしばらくリビングにいたんだけど

どこか空元気な気がする。

笑ってても、何となく無理してるように見える。

これ以上見てられなくなって

みんなに気付かれないように

裕翔を廊下に連れ出す。

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有「お前、調子悪いだろ。」

中「...。」

有「あの時、言えばいいのに。

　部屋行って早く休もう??

　ほんとに疲れてるんだよ、体が。」

中「...うん。」

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悲しそうに俯く裕翔は

みんなをのことを考えて黙ってたんだろう。

それがわかってるから

あんまり強く責められなくて。

みんなにも言おうかと迷ったけど

裕翔はそれを嫌がって言わなかったんだから

そう思って、みんなには言わないことにした。

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山「あれ??裕翔くんは??」

有「あぁ、部活で疲れてるから

　今日はちょっと早く寝るって。」

岡「俺ももう寝よっかなぁ。」

高「俺も―。」

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勘の鋭い山田は

俺がリビングに入った瞬間に聞いたけど

圭人のひとことで

みんなはいつもより早く自室へ戻って行った。

ひとり戻れば早いもので

リビングには俺ひとり。

なるべくみんなに気付かれないように

物音を立てないように気を付けながら

冷蔵庫から水を取り出したり

冷えピタを取り出していたら

背後に人の気配を感じた。

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有「あ。」

伊「何してんの??大ちゃん。」

有「いや、その...。」

伊「調子悪いの??」

有「あの、俺じゃなくて...。」

伊「分かってるよ。裕翔でしょ??」

有「...うん。」

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振り返ったそこにいたのは

山田よりも勘が鋭いらしい伊野ちゃん。

持っているものからしても

言い逃れなんてできなくて

そのまま一緒に裕翔の部屋まで行った。