まいはうす。 (ページ11)

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▽優しすぎたから。ページ11

薮side.

圭人の熱が下がったと龍太郎から聞いて

とりあえず一安心。

と思っていたけど、そんなこともなさそうで。

一緒にご飯を食べていた圭人は

一向に箸が進まない。

一応、山田がまだ食べやすそうなものを

作ってくれたんだけど...。

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薮「圭人、どした??」

岡「え、何が??」

薮「だって全然食べてないじゃん。」

岡「そんなことないよ。」

薮「まだ調子悪い??」

岡「...ううん、もう平気。」

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あれ、今の間は何??

平気って...嘘だな??

でも、みんなの前で問い詰めるのも可哀そうだったから

適当に理由をつけて圭人を部屋まで連れて行く。

ドアが閉まるのを確認して

俺はもう一度聞く。

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薮「まだ調子悪いね??」

岡「...ちょっと、だけ。」

薮「どれ、おいで??」

岡「...大丈夫。」

薮「いいから、ほーら。」

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渋々近づいてきて

隙を見て俺の隣に座った圭人の額を触ると

やっぱり熱がぶり返してる。

どこが平気なんだか。

圭人の顔を覗き込めば

バツが悪そうに俺から目をそらす。

ふふ、怒ってなんかないのにね。

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薮「熱、上がってるね。

　言わないと辛いの自分でしょ??」

岡「だって...。」

薮「だって??」

岡「迷惑...かけたくないから。」

薮「迷惑なんて思うわけないでしょ。

　みんな、優しいの知ってるでしょ??」

岡「ん...。」

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ベッドに寝かせてやると

すぐに眠りに落ちて行った圭人。

こうやって見たら

まだまだ子供なんだなぁ、って思ったり。

...俺はじいちゃんか。

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圭人は嫌だって言うだろうけど

やっぱり知っておいた方がいいと思って

みんなには一応伝えておく。

え、ほんとに??って言う顔をしてる奴もいれば

やっぱりねー、って顔をしてる奴もいる。

でも、誰ひとり

怒った顔や迷惑そうな顔はしてないよ??

その夜は

昨日ひとりで頑張ってくれて

寝不足がちな龍太郎には休んでもらって

俺たちは交代で看病することにした。