僕らのメイク担当は

ごめんなさい ページ30

you side



TH ｢ヌナが好き。｣


そう言って私の唇にソッと触れるテヒョンさんの顔に、冗談や冷やかしなどは一切なく、


フッと微笑んで私を見る目は少し潤んでいた。


彼に好意を寄せられて、嬉しいという気持ちの反面頭に浮かぶのは過去のこと。


？｢･･･な、にしてるのっ、やめなさい！｣
？｢あんたたちなんか、産まなきゃよかった･･･｣



母の汚れたものを見るような目と、周囲の私と彼への反応。


大切な人を傷つけてしまった悲しみと、大好きな人を守れなかった自分の不甲斐なさ。




その時からわたしは、もう二度と誰かを好きにならないと決めていた。





｢っ･･･｣



目の前にいるのも大切な人なはずなのに、彼の望む答えを返してあげられなくて涙が出る。





TH ｢好きになっちゃダメなんて、言わないでよ｣


テヒョンさんを大切だと思う気持ちに嘘はない。

けどそれは、テヒョンさんが特別だからとかではなく、ジョングクさんや、ユンギに対するものと同じだった。


きっとわたしは、人を好きになれないんじゃなくて、ただたんに彼を忘れられないだけなのだろう。



震えるテヒョンさんの腕が、私を強く強く抱きしめた。




そのまま抱きかかえられ、テヒョンさんの部屋のドアが開く。


ベットにおろされ、私の上に跨り顔を近づけるテヒョンさん。


｢ダメです、こんなこと、やめましょう｣


次々にやってくる快楽に必死に逆らいながら、ボーッとする頭をなんとか働かせ、必死に拒む。





TH ｢ねぇお願い、最後だから･･･｣


あぁ、またそんな悲しい顔をして。
こんなことしたらきっと苦しいのはテヒョンさんのはずなのに。



私は、あなたのその声で、そんな顔でそうお願いされたら拒むなんてこと出来はしないんだ。



私のテヒョンさんを抑える手が緩んだのを確認し、貫かれるような感覚と、鋭い痛みが全身を駆け巡った。


｢んぁっ、テヒョナっ･･･｣


TH ｢んっ、Aっ･･･｣


異物が入ってきた圧迫感と、あの骨盤が広がっていく感覚。





TH ｢んっ、A、もしかして、初めてじゃない？｣



｢んっ、あぁっ･･･｣


何も言わない私をどう思ったのか、ガラリと彼の目が変わるのがわかった。



TH ｢俺が初めてじゃないの？ねぇ、A答えてよ。どこの誰？俺の知ってる人？｣

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