145話 夢主SIDE ページ44
ぼくの質問に紅白頭は困ったように眉を下げた。
お前、そんな顔するんだな。
ぼくが笑ってそういうと、紅白頭は笑い事じゃない。 と真剣な表情を向けた。
「お前は、お前だろ」
紅白頭にそういわれぼくは俯く。
ぼくは、ぼく…か。
「確かに、そうだね」
どうして、あの時、ぼくはぼくと答えられなかったのだろう。
……きっと自信がなかったんだ。
ぼくがぼくであることに。
敵に弄られ、作られ、化け物にされたぼくに。
ぼくが何者なのか、分からなからなくなった。
それは、今もだけれども。
ぼくって、一体何なんだ。
なんで存在しているんだ。
ぼくがいなければきっと救われた人は何人も…
「お前は、少し考えすぎなんだよ。
前に緑谷も言っていただろ。 お前は見据えすぎだって。
……お前は時刻A。 この世で唯一無二の存在。
俺は、そんなお前を大切に思う」
「……はは、何ソレ。 大袈裟…」
唯一無二の存在。
ぼくが、大切…
紅白頭は少し頬を染めてそう言った。
……慰めとか…優しいやつなんだな。
「さんきゅ。 なんか少し気が楽になったわ。
明日の体育祭、なんとか乗り越えられそう」
マカロンを口に含みそう言った。
紅白頭は少し苦笑し、ぼくに向けて言葉を言う。
「……伝わらない、か。
でもお前の気持ちが少しでも晴れたんなら何よりだ。
明日は互いにがんばろう」
伝わらない？
いや、慰めは十分伝わったが。
その後ぼくたちは会計を済まし、別れた。
帰り道送っていくといわれたがやんわり断り、一人家路を辿る。
……久しぶりに、一人で帰るな。
「……遅せぇよ」
不意に前方から聞きなれた声が聞こえた。
俯いていた顔を上げると、そこには塀に寄りかかっている勝己の姿。
勝己はまだ制服で、下校途中のようだったが…
「下校にしては随分遅いんだね。 切島たちと放課後駄弁ってたん？」
「ちげぇよ。 ……帰んぞ」
ああ、心配で待っててくれたのね、心音で分かった。
ぼくはハハ、と笑い、勝己の隣を歩いた。
「今日、ハンバーグだとよ」
「やった、光己さんのハンバーグ好き」
やっぱり、安心する。
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彼岸花(プロフ) - メルさん» 感謝の極みです…！ こじらせかっちゃんが好きなんです（私の意思）。 早くくっつけたいです← (2017年9月17日 21時) (
レス) id: 1f046206e1 (このIDを非表示/違反報告)
メル - もちろん愛読してます！かっちゃんこじらせてますね…！ かっちゃんの気持ちに夢主ちゃん、早く気づいてほしいです！ (2017年9月15日 20時) (レス) id: 608e63a3e5 (このIDを非表示/違反報告)
彼岸花(プロフ) - メルさん» ありがとうございます！ これからも御愛読していただけたらうれしいです！ (2017年9月12日 22時) (レス) id: 1f046206e1 (このIDを非表示/違反報告)
メル - わあああっ、夢主ちゃんのギャップ可愛いです…暴言はいてたりみんな守ろうと突っ走ったり…でも一人でいたりすると怖がったりするところとか…すごくいいです！ 更新楽しみにしてますっ♪ (2017年9月12日 15時) (レス) id: 608e63a3e5 (このIDを非表示/違反報告)
彼岸花(プロフ) - 庵さん» ありがとうございます！ 今後も見てくださいましたらうれしいです！ (2017年9月12日 1時) (レス) id: 1f046206e1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：彼岸花 | 作成日時：2017年9月10日 1時
