138話 夢主SIDE ページ37
透明化ではない、か。
だとしたらなんだ？
『攻撃では白の方が上だけど、回避率高いね。 あのリュカ。 どうするの、なんなら私が教えてあげた“アレ”試してみれば？』
「(無茶言うなよ。 アイツがもし回避しなけりゃ大問題だ。 それにぼくはまだ調節ができない)」
蒼から教えてもらった“アレ”。
使おうにもたやすく使えるものではない。
個性の調節、制御、そして体術に関しては蒼よりぼくのほうが上。
対して蒼は個性の“応用”、攻撃の“予測”が段違いに上だ。
ぼくは渋った。
そして前日の蒼との会話で分かったこと。
蒼自身は“液状硬化”“配合(ｷﾒﾗ)”を操作できずに暴発してしまう。
対してぼくは――
「(自前の個性…とくにクソアマの方が操作できねえなんて、クソすぎだろ!!)」
無性に苛立った。
あの女(クソ女)に扱えてなんでぼくが扱えない？
蒼は過去のぼくだから扱えて当然だけど…自身が扱えないことには無性に腹が立つ。
膝蹴りをリュカにし、スカされたところで体を捻って踵落としを食らわす。
しかしこちらもスカされた。
「クソが…!!」
「今のは危ない!! 地面にめり込んだね、君の足! 何事かな!?」
お前と不甲斐ないぼく自身に苛立ってるんだよ!!
と言えるわけもなくぼくは攻撃を続ける。
『白は無意識には重力を扱えるんだよ。 あくまで無意識ね。 意識して調節・操作しようとしたら……暴発するか、打ち消されるかのどっちか』
「(まじか、中々クソだな)」
味方がいるときの暴発は避けたいな。
ぼくはリュカの攻撃をかわし、肘打ちを仕掛けた。
「鼻折られちゃうね! 本当危ない!!」
「さっきからうるせえよクソ野郎!!」
喚かないと戦えねえのか。
さりげなくスカらせるし…!!
「うーん！ 埒が明かないね！ じゃあ俺も本気で行くよ!!」
まるでさっきまで本気じゃなかった口ぶり。
クッソ腹立つな。 神経逆なでされまくり。
ぼくは吼えた。
「じゃあ来いよ!!」
そう、言った瞬間、リュカが“地面”に沈んだ。
「はあ!?」
地面をすり抜ける？
マジかよ、なんなんだ、コイツの個性。
……よく分からねえがこの場にとどまるのはよくねえな。
ぼくは奴がいない間、元々奴がいたほうへ走った。
「正解だ」
相澤先生の言葉にぼくは首を傾げる。
と、次の瞬間、リュカが地面から勢いよく出てきた。
「あれ？ ハズレか！」
何なんだ、アイツ。
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彼岸花(プロフ) - メルさん» 感謝の極みです…！ こじらせかっちゃんが好きなんです（私の意思）。 早くくっつけたいです← (2017年9月17日 21時) (
レス) id: 1f046206e1 (このIDを非表示/違反報告)
メル - もちろん愛読してます！かっちゃんこじらせてますね…！ かっちゃんの気持ちに夢主ちゃん、早く気づいてほしいです！ (2017年9月15日 20時) (レス) id: 608e63a3e5 (このIDを非表示/違反報告)
彼岸花(プロフ) - メルさん» ありがとうございます！ これからも御愛読していただけたらうれしいです！ (2017年9月12日 22時) (レス) id: 1f046206e1 (このIDを非表示/違反報告)
メル - わあああっ、夢主ちゃんのギャップ可愛いです…暴言はいてたりみんな守ろうと突っ走ったり…でも一人でいたりすると怖がったりするところとか…すごくいいです！ 更新楽しみにしてますっ♪ (2017年9月12日 15時) (レス) id: 608e63a3e5 (このIDを非表示/違反報告)
彼岸花(プロフ) - 庵さん» ありがとうございます！ 今後も見てくださいましたらうれしいです！ (2017年9月12日 1時) (レス) id: 1f046206e1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：彼岸花 | 作成日時：2017年9月10日 1時
