109話 夢主SIDE ページ4
……いつの間にか、眠ってしまった。
時刻は夜の9時、病棟はシン、と静まり返っていた。
ふと、手に違和感があり、目を向ける。
するとそこにはぼくの手を握り、スヤスヤと寝息を立てている勝己の姿があった。
寝ているというのに少し眉間に皺がよっている。
恐らく座りながら寝ているため、体勢がきつく、眉間に出ているのだろう。
可笑しくなってクスッと笑う。
ぼくは起き上がり、そっと勝己の頭を撫でた。
…ずっと、傍にいてくれたんだ。
「一体いつから…」
ぼくはずっと寝ていたはずなんだけど…。
昨日の敵襲撃から一切の記憶がない。
ただ、この様子だと結構前からいてくれたよう。
…それに。
「痛って…」
現在つながれている複数の管。
それとは別に、針に刺されたような後が、その管と同じ数あった。
……もしかして、一度起きて暴れたのかもしれない。
あの事件以降、注射や管といった類のものがあまり好きではない。
記憶で覚えている限り、事件後のカウンセリングと精密検査で酷く暴れた記憶がある。
…うん、もしかしなくても暴れた可能性あるな。
鉢合わせた人ごめん。 宥めるの大変だっただろう。
……いや、暴れただけで人とは鉢合わせずにもう一度眠った可能性もある。 それならいいんだが…前者の可能性の方が高い。
昨日の今日だから個性は使っていないだろうケド…
はあ、と小さくため息をつく。
…過去のことに怯えていても仕方ないじゃないか。 すぐに直さなくては。
ぼくは勝己から手を離し、ベッドから降りる。
喉が酷く渇く。 何か、飲み物は…
「ない、か」
仕方なく自身のバッグから小銭を漁り、病室をあとにする。
恐らく消灯時間なのだろうが、喉が渇くのは自然の摂理…仕方ない。
近くに自販機がないか確認するも、この階にはないようだ。
ならば上の階か下の階に…いや、むしろ売店かコンビニを探したほうが早いだろう。
ぼくは痛む足を引きずるようにして歩いて、売店があると表記されているところに向かう。
意外と距離は遠くないようだ。
少し息をするのが苦しくてヒュッヒュッ、と細い声が漏れる。
歩くだけで結構きつい。
少し気が緩み視線を下に移したその瞬間、ドンとぼくの頭が何かにぶつかった。
普段ならどうってことない接触。
けど今回は違った。 頭からぶつかり、全身に激しい痛みが走る。
そしてぶつかったのは、人だったようだ。
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彼岸花(プロフ) - メルさん» 感謝の極みです…！ こじらせかっちゃんが好きなんです（私の意思）。 早くくっつけたいです← (2017年9月17日 21時) (
レス) id: 1f046206e1 (このIDを非表示/違反報告)
メル - もちろん愛読してます！かっちゃんこじらせてますね…！ かっちゃんの気持ちに夢主ちゃん、早く気づいてほしいです！ (2017年9月15日 20時) (レス) id: 608e63a3e5 (このIDを非表示/違反報告)
彼岸花(プロフ) - メルさん» ありがとうございます！ これからも御愛読していただけたらうれしいです！ (2017年9月12日 22時) (レス) id: 1f046206e1 (このIDを非表示/違反報告)
メル - わあああっ、夢主ちゃんのギャップ可愛いです…暴言はいてたりみんな守ろうと突っ走ったり…でも一人でいたりすると怖がったりするところとか…すごくいいです！ 更新楽しみにしてますっ♪ (2017年9月12日 15時) (レス) id: 608e63a3e5 (このIDを非表示/違反報告)
彼岸花(プロフ) - 庵さん» ありがとうございます！ 今後も見てくださいましたらうれしいです！ (2017年9月12日 1時) (レス) id: 1f046206e1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：彼岸花 | 作成日時：2017年9月10日 1時
