119話 夢主SIDE ページ17
――わたくし、時刻Aは現在重大な危機に直面しております。
ぼくの目の前にいる数名の女子生徒。
その中心にいる生徒に、ぼくは見覚えがあった。
「えっと確か今朝の…？」
「あ、あの、2年普通科の…変化亜丹間(ﾍﾝｶｱﾆﾏ)っていいます。 け、今朝のお礼を言いたくて…！」
お礼？ それをわざわざ？
内心クソ面倒だなと思いながら、それを悟られないよう笑顔を作る。
ぼくが笑った途端、サイドにいる女子二人がキャーッと悲鳴を上げた。
…うるせえ、なんだっつうんだよ。
「おいどうした？」
女子の悲鳴が聞こえて何事か、とクラスの扉を開けて出てくる切島とアホ面としょうゆ顔。
そして現状を見てなるほどなと切島が苦笑した。
それに対し、アホ面としょうゆ顔が変顔に近い険しい表情をする。
「あー、大丈夫だから戻っていいよ。 …それで？ 別にお礼言われるほどのことしてねぇし…センパイに怪我がないんならそれでいいじゃないッスか。 それ以外になにか？」
面倒だから切り上げたい。
ぼくがそういうとしょうゆ顔がボソッと呟いた。
タラシだ。と。
誰がタラシだ、こら。
そんな要素一つもねえだろうがよ。
ぼくは早く教室に戻りたいだけなのに。
「え、えっと、その…よ、よろしければ今度お茶に…」
もごもごとはっきりしない。
面倒くさい。 実に。
ぼくは頭を乱雑に掻き、んー。 と声を張る。
「落ち着いて。 怒ってるわけじゃないッスから…ゆっくりで大丈夫ッスよ」
そして話し終えたら速やかに教室に戻ってくれ。
もごもごと言ってちゃ聞こえやしねえ。 耳がよくても話してる人の滑舌が悪くちゃ聞き取れない。 これだから女子は苦手なんだ。
「あのっ今度一緒にお茶…」
「オイ誰のツレに手出そうとしてんだ？ ああ!?」
と。 扉を勢い良く開きそう怒鳴りつける勝己。
何か言いかけた女子生徒の言葉を遮った。
容赦ねえな。 切島が呆れたように言っていた。
「A、てめェも俺の許可なしに出歩いてんじゃねえ。 言ってんだろ、俺から離れんなって」
そういってぼくの腰に手を回す勝己。
女子相手になにムキになってんだ、コイツ。
ぼくが悪い。 というと女子生徒三人組はそういう関係…？ と顔を赤くし、ぼやいた。
…うん？
なんか勘違いされてないか？
「す、すみませんでした」
そういって立ち去る女子生徒。
ぼくは茫然と立ち尽くした。
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彼岸花(プロフ) - メルさん» 感謝の極みです…！ こじらせかっちゃんが好きなんです（私の意思）。 早くくっつけたいです← (2017年9月17日 21時) (
レス) id: 1f046206e1 (このIDを非表示/違反報告)
メル - もちろん愛読してます！かっちゃんこじらせてますね…！ かっちゃんの気持ちに夢主ちゃん、早く気づいてほしいです！ (2017年9月15日 20時) (レス) id: 608e63a3e5 (このIDを非表示/違反報告)
彼岸花(プロフ) - メルさん» ありがとうございます！ これからも御愛読していただけたらうれしいです！ (2017年9月12日 22時) (レス) id: 1f046206e1 (このIDを非表示/違反報告)
メル - わあああっ、夢主ちゃんのギャップ可愛いです…暴言はいてたりみんな守ろうと突っ走ったり…でも一人でいたりすると怖がったりするところとか…すごくいいです！ 更新楽しみにしてますっ♪ (2017年9月12日 15時) (レス) id: 608e63a3e5 (このIDを非表示/違反報告)
彼岸花(プロフ) - 庵さん» ありがとうございます！ 今後も見てくださいましたらうれしいです！ (2017年9月12日 1時) (レス) id: 1f046206e1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：彼岸花 | 作成日時：2017年9月10日 1時
