ご!!!! ページ7
西谷から逃げ、2年3組――――自分のクラスの教室に入った。
そして、 窓際の自分の席に座る。
窓からは体育館が見えるため、バレー部員の掛け声やキュキュという音もしばしば聞こえる。
前まではこの音を聞くたびに耳を塞ぎたくなるような思いになったのに、今はなんだろう。
ちょっと、懐かしい。
夕方の教室に一人。なんともノスタルジーな気分だ。
ちょっとだけ感傷に浸っていると、何故だか、またあの体育館に行きたくなってしまった。
なんというか、ホームシックみたいな。上京とかしたことないけれど。
このまま教室に居るのもあれなので、体育館に抜き足差し足で行った。
(あれ。そういえば、ノスタルジーって使い方合ってる?ノスタルジックとかノスタルジアって単語もあるような)
まあ、いっか。
***
体育館のドアの隙間から、男子バレー部の練習を見る。
決して多くはない人数だけど声は大きく、チームワークがありそう。
そして、体育館の壁際に立っているマネージャーらしき超美人な女の人。
同姓の私まで惚れそうな程顔面偏差値が高い。
そのまま見惚れていると、パチッと目が合った。
「(やばっ)」
急いで身を翻し、逃げようとしたが遅かった。
後ろからあの美人マネージャーと思われる声がした。
「・・・あの!」
「あ〜えっと・・・・」
「もしかして、マネージャー希望?」
「い、いえ!ちょっと見に来ただけで」
「そう・・・」
美人さんに断りを入れて帰ろうとしたら、
「あー!A!!」
どこかで聞き覚えのある声が聞こえた。
視線を声のした方に向けると、西谷が驚いた顔をしてドアから顔を覗かせていた。
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作者名:カヨ林檎 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/kayo3925/
作成日時:2019年7月20日 10時