じゅーよん!!!! ページ16
「・・・・やばっ」
昨日、ちょっと口角を上げるトレーニングみたいのをずっとしていたら寝るのが遅くなって、遅刻した。
現在9時15分。
1時限目の始まりは8:45分。
これは、詰んだ。
母親はなぜ起こしてくれなかったのだろうか。
その疑問は、すぐに解けた。
机の上に置いてある紙切れ。
そこには、母は今日用事で明日まで帰ってこないという旨の書き置きだった。
明日まで居ないなら、事前に言って欲しい。
その苛立ちを紙切れにぶつける。紙切れはグシャグシャになって、ごみ箱へ放られた。
「・・・サボろう」
風邪と嘘をついて。
***
メッセージを送り、ベッドにダイブする。
丁度よい柔らかさの布団は、いつもなら自然と瞼が重くなっていくのだが、今日はそんな気分では無かった。
成績もあまり良いとは言えないので、苦手な関数の復習をしようと教科書を広げるが、ものの10分でペンを机に放り出してしまう。
結局することがなくなり、しょうがないのでまたベッドに入る。
天井を見ながら、昨日の出来事を一から思い出していると、布団の温もりからか、今度は瞼が落ちてしまった。
*
目覚めたのは、近くにある母校の中学から運動部の掛け声が聞こえてきたからだった。
ってことは、
「・・・・もう放課後?」
窓から微かに差し込む、橙色の柔らかな直接光が床に反射し、私の顔を照らし出す。
空には、橙色に映える黒曜石のような翼が1対、大きく羽ばたいていた。
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作者名:カヨ林檎 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/kayo3925/
作成日時:2019年7月20日 10時