じゅー!!!! ページ12
「ていうか、そもそものハナシ。私、貴方達みたいに力んで話してないし」
取り敢えず二人を近くにあったベンチに正座させる。させる、という言い方はちょっと可笑しいか。二人が勝手に正座し始めたんだけどね。
「あくまでも自然体、ね」
そして、なぜ私はコイツらにアドバイスを送らなければならないのだろうか。
いつもうるさい癖に、こういうときだけシャイボーイになるのやめなさい。
「シゼンタイ・・・」
「そう。これだけ。じゃーね」
もうめんどくさくなってきたので、さっさとアドバイスらしいアドバイスをして帰ろうとした。
「これだけかよ?!」
「他に言いようが無いし。もう帰るよ」
好きな人と話すのくらい自力で頑張れよ、と呆れつつ身を翻して今度こそ帰ろうとしたとき。
「・・・いちごシュークリームW」
「く・・・・・・・・っ!!」
なんと物で私を釣り始めた。
いちごシュークリームWは私の大好物。
どんなに酷い喧嘩をしようとそれを貰えばたちまち仲直りするくらい好きだ。
「ていうか、なんで私がそれ好きなのしってんの?!」
「うまそーに食ってるとこ見たからだ!」
西谷、単細胞のクセに人間観察はよくするのね。
でも天秤にかけてシュークリームより重いものは無い。
「・・・・・・・乗った」
***
「〜すること。これが多分潔子先輩には一番効くでしょ」
あのあと、私と西谷は田中の家にお邪魔した。
家にはお姉さんが居て、上半身がすごかった。
そして私はシュークリーム片手に、二人に恋愛指南をしていた。
「なるほど・・・・要は俺らが大人しくすれば良いってことだな?」
「ふぉう(そう)。ふぁははははへ(馬鹿だからね)。」
「聞き取れねーよ。まあお前のことだしロクなこといってねーな」
ゴクン、と最後の一口を飲み込み、また他のいちごシュークリームに手をつける。
「はー、さいこう」
「顔は全然最高そうじゃねえのな」
田中が突っ込む。まあ言いたいことも分かるけどしょうがない。
「しょうがないでしょ。・・・笑えないんだもん」
「笑えない?A、前笑ってたじゃねえか!」
西谷が突っ込む。まあ、アレはバレーしてる時の私を認めてくれたから嬉しかっただけだけど。
「あれは私を認めてくれたみたいで嬉しかっただけ。日常で嬉しい事なんてほぼ無いし」
「・・・じゃあ、俺らがAを嬉しくさせればいいんだな!」
・・・・・はい?
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作者名:カヨ林檎 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/kayo3925/
作成日時:2019年7月20日 10時