きゅー!!!! ページ11
「アザッシタァァ!!」
私がバレーボール部に入ってから数日。
潔子先輩から指導を頂いたり効率の良い方法を自分で考えたりして、やっと部活に慣れてきた。
マネージャーは二人しか居ないから、潔子さんとはよく話すし、仲も良くなった。
そのせいで、同い年の田中と西谷には抜け駆けズリィ!とか言われてるけど。
女子まで妬むとか、アホらしいわ。
まあ私は、背も高いし女の子って感じの、華奢な体型では無いから女って見られてないのかもね。
もしそうならそれは随分とショックな事だけれども、田中や西谷に気がある訳でも無いから別に良い。
「・・・・ちゃん、Aちゃん!」
「っあ、はい!!」
ボーッとそんな事を考えていたら潔子さんに声を掛けられた。
なんと情けない。
「部活終わったから、帰ろう」
「そうですね!」
そうだ。今日の部活は終わったのだ。
部員達がくぁぁ、と眠そうに欠伸をしたり、伸びをしたりしながら帰路につこうとしていた。
私も潔子さんと帰ろう、と足を踏み出したとき。
「潔子さん、スミマセン!今日、A借りてきます!」
威勢の良い声が聞こえたと思ったら、あのツンツン頭に手を引かれた。
引かれた、というよりは引っ張られた、が正しいか。
潔子さんは「え・・・あ、うん」と困惑の色を浮かべている。
そんな潔子さんに声を掛ける間もなく、私は西谷とともに高校を飛び出した。
***
「「お願いします、潔子さんとの会話術を教えて下さいッッ」」
「・・・・」
今私は男子高校生二人に土下座されている。
公道のど真ん中で。
あのあと、私は西谷と田中に潔子さんとのコミュニケーションをどう取ればいいか聞かれていた。
クソ、「コイツ借りてきます」って言われたときのドキドキ感を返せ。
幸い人通りが少ないので誰かに見られることも無いと思うが、それにしたってこれじゃあ私が二人に土下座させてるみたいじゃないか。
「わ、わかったから土下座しないで」
「「オス!!」」
「声が大きい。迷惑だから」
「「オス!」」
「だから声大きいって」
コイツらマジでしめてやろうか。
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作者名:カヨ林檎 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/kayo3925/
作成日時:2019年7月20日 10時