オドオドしているあの人はNRC最恐の人

お悩みリサーチ ページ33

トレ｢本当に助かるよ……あ､そこの棚の上から二段目にクッキーがあるから取ってくれ｣

ルデヤ｢り……ﾘｮｳ……解｣

クローバーさんの支持に従いお菓子を用意する

トレ｢……よし､これで5分蒸らして……お湯を入れる｣

紅茶の匂いが辺りを漂っている

空腹を誘うように……

腹を満たすような……

矛盾してるけど本当にそんな感じのいい香りだ

トレ｢そういえば……ルデヤ｣

紅茶の匂いに酔いしれているとクローバーさんが思い出したように問いかけてきた

トレ｢ルデヤ､悩みがあれば聞くぞ｣

ルデヤ｢ﾋｭｯ｣

……今､クローバーさんは一体何を言った

悩み……私には何も……

トレ｢お前……俺達とちょっと距離置いてるだろ?その証拠に俺たちの名前をファーストネームで呼ばない……積極的に関わりたくないんだろ｣

……距離を置く……関わりたくない……

確かに……でも……どうして急に……

ルデヤ｢……あ､ｱﾉ……｣

トレ｢……別に言いたくなかったらいいんだ……それに勘違いだったらスマンな｣

クローバーさんが急にパッと話を切りかえティーポットにお湯を注ぐ

私も慌ててお皿にクッキーを並べる

トレ｢よし……それじゃ皆の所に戻ろう｣

気をつけろよと声を掛けてくれてクローバーさんの後に続いてキッチンから去る

トレ｢不快な思いしたら悪いな……でも悩みを溜め込みすぎるのは良くないから誰でもいいから相談しろよ｣

ルデヤ｢……ぜ､善処…………ｼﾏｽ………｣

……彼等といると気が緩んでしまう

言ってしまいたくないことまで言いそうで怖くなる

私に居場所はいらない

心の拠り所も

暖かい仲間も

何もいらない

ケイ｢あ､遅いよトレイ君､ルデヤちゃん｣

ルー｢何か面白い話でもしてたのかい?｣

ヴィ｢喉が乾いたわ……｣

リリ｢お主らが準備しとる間に課題が半分も終わってしまったぞ｣

何も失いたくないから






ポタリ……

またどこかで

インクが垂れる音がした

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