ド天然イケメン少年は、美少女です［文スト］ (ページ23)

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敦(どうしよ、どうしよ、どうしよ…)　貴(潤みたいだな) ページ23

千代side

太「不味いな…探偵社に私怨を持つだけあって、彼は我々社員の顔と名前を把握している。此れでは社員の私や織田作が行っても彼を刺激するだけだ。さて…如何したものか…」

と言いながら敦の方を見る太宰さん。…ご愁傷様、敦。

敦「う…。」(…今、猛烈に嫌な予感が…)

太宰さんが何か企んでいる顔で敦を見ている。悪い大人の顔だ。

太「あーつーしーくーーーん敦「嫌です。」…まだ私、何も言ってないよ。」

否、もう顔に書いてあるんじゃありませんか？

敦「言われなくても分かります！」

太「聞いてくれ敦君。社員ではなく、犯人に面が割れていないのは君だけだ。」

敦「あ…でも！僕は何も出来ませんよ！」

貴『大丈夫だ。』

敦「え？」

太「少しの間、犯人の気を逸らしてくれればいい。後は我々が遣るから。そうだな、君なら相手の意表を付く様な駄目人間でも演じて気を引くというのはどうだろうか…はいッ此れ小道具。」

と敦に新聞の束を差し出す太宰さん…。

貴『すまんな敦。協力してくれ。」

敦「ぅ、うん。分かった。」

本当にごめん。たかが、――――なのに…

太「信用し給え敦君。此の程度の揉め事、我々武装探偵社にとって朝飯前だよ。」

敦「はぁ。」

こうして2回目のﾁｬﾝｽを窺う機会が出来た事には、敦。感謝する。…まぁ――――だけど。
　
敦「―や、やや、やめなさーい。」

谷「!!」

敦「ここ、こんな事して何になる―。き、きっと親御さんも泣いているよ…？」

谷「何だ、アンタ!!」

敦「ひいぃ、ごめんなさい！」(ここここここここここここ、―怖いいいいい。)

谷「アンタ、探偵社の人間じゃないな？」

敦「みみ、み、見ての通り、通りすがりの新聞配達です。」

谷「新聞配達の人が何のようだ？」

敦「…いくら憎いからって人質とか、爆弾とか良くないよ…生きていればきっといい事がある…」

よく言った敦。そして其の言葉は自分のことも含めてだぞ。

谷「…好い事って？」