おかしい様子 ページ6
エーミールside
Aさんの様子がおかしい。
何かが吹っ切れたような、諦めたような。
そんな顔をしています。
彼女の目には誰も映っていませんでした。
私と喋っていても。
彼女に何があったのでしょうか。
彼女は身も心もボロボロでしょう。
彼女を此処へ連れてこなければ
良かったかも知れません。
もう遅い後悔が心を支配しました。
彼女の様子がおかしいと感じたとき、
私は彼女に言いました。
エ「いなくなろうなんて、考えてませんよね」
彼女は目を見開いていました。
『………うん。』
しばらくの間の後、彼女は頷きました。
しかし、目を合わせてはくれませんでした。
エ「嘘をつくのが下手ですね。」
彼女は嘘が嫌いです。普段嘘をつかないせいで
嘘をつくのが下手でした。
『……ｯ!』
Aさんは走り去ってしまいました。
嫌いな嘘をついてまで隠したという事は
静かにいなくなろうとしていたんですね。
でも、私には止める権利がありません。
私はどうすればよいのでしょうか。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
グルッペンside
ｺﾝｺﾝ
ノックの音が聞こえた。
グ「入れ」
そういうと、入ってきたのは無能だった。
無能はいつしか喋らなくなった。
だから紙に書いてその紙を俺に渡してくる。
話は休暇がほしいという事。
別に此奴がいてもいなくても変わらない。
俺は申し出を承諾した。
無能は部屋をでていった。
しかし、彼奴が休暇をとるなんて、
過去に一度もなかった。
珍しい事もあるものだな。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
コネシマside
グルッペンに無能が休暇を取る、
という事を聞いた。
そして俺は無能に、
コ「おい無能、休暇とってから
帰ってこなくてもええんやで。」
と言った。正直、無能は邪魔だ。
サラはメイドだか、まだ彼奴の方が出来る。
すると無能からは、
俺の想像を超える答えが帰ってきた。
『わかった。もう帰らない。』
コ「は？」
俺の脳は一瞬考える事を停止した。
しかし、
コ「そりゃ嬉しいわ。無能なんてこの国には
邪魔やねん。」
咄嗟に出てきたそれだけを言い残して
俺はそこを去った。
久しぶりに聞いた無能の声は凛としていて、
綺麗だったなぁ、なんて思ってしまった。
あかん。俺にはサラがいるやん。
自室に帰ったとき、
何故か出てきた透明な涙が頬をつたった。
頭には、サラの顔ではなく、
無能の“帰らない”という声が再生された。
なんでやろ。
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匿名の子(プロフ) - ありがとうございます！頑張ります！ (2020年6月8日 22時) (
レス) id: e4a403848b (このIDを非表示/違反報告)
黒猫 - 終わっちゃいましたね！転生パロ楽しみにしてます！頑張ってください！ (2020年6月8日 22時) (レス) id: 0779f5a88d (このIDを非表示/違反報告)
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