夢か現か罠なのか−−side Imai ページ9
昨日の出来事は、夢だったんだろうか。それとも、あいつの策略だろうか。
『私と、付き合ってください』
生まれて初めて告白というものをされた。自分からすることは何度もあっても、されたのは初めてだった。
突然、抱き着かれ、告白される。そんなこと、本当にあるか?しかも、年上の女性から、俺に?
正直に言えばクソほど嬉しいが、信じられない。
今「なぁ谷川」
谷「なんですか、夢じゃないですよ」
今「お前、なぜ俺が言おうとしたことが分かったんだ!?お前、お前もしかしてエスパーなのか!?」
俺が驚愕していると、谷川は心底呆れたという顔をする。
なんだなんだ、こいつ最近俺の扱いが雑になっていないか?
谷「だって朝から口を開けばその話じゃないですか、聞かなくても分かりますよ」
今「そ、そうか……しかし、あれはつまりあれだろ、一目惚れってやつだな」
谷「そうですね」
今「ははは!!俺もぉ!罪な男だなぁぁ!!はっはっはっ、ハッ!」
『今井くん!』
校門の前で手を振っているのは、昨日のお姉さんではないか……!何をしに来たんだ学校まで!?と言うかどうして俺の学校を知っている!?まさか、実はどこかに三橋が隠れていて、俺がデレデレする姿を隠し撮りしそれを理子さんに見せつけようという腹か!?
ならば、逃げる……!
谷「え、今井さん!?」
『なんで逃げるの!?』
戸惑う谷川を置いて、俺は走り出す。
これなら三橋も追ってこれまい!どうだ三橋、参ったか三橋、凄いだろう三橋よ!
そして土手まで出たところで足を止めると、谷川は全然着いてきていなかった。
仕方なく橋の下に降りて追いついてくるのを待っていると、何か袋を下げた谷川がうんざりしたような顔でやってきた。
今「おぉ!!谷川ァァァ!!どうだ?この俺のナイスな機転、三橋の思い通りにはならん!!!」
谷「……今井さん、これ、昨日のお礼だそうです」
今「お礼……?」
差し出されてグレーの紙袋の中には、またもやグレーの箱が入っていた。蓋を開いてみれば、中には小さなカラフルなケーキらしきものが、ぎっしり。
俺がそれをぼーっと眺めていると、谷川が覗き込んできた。
谷「うわっめっちゃ美味そうなカップケーキじゃないですか!Aさん料理上手なんだなぁ」
今「A、さん?」
谷「昨日のお姉さんですよ、AAさんていうんですって。それにしても美味そうじゃないですか、良かったですね今井さん!」
今「お、おう」
90人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
もも(プロフ) - とても良い作品ですね!また更新しますか?楽しみにしてます!! (2019年6月26日 22時) (レス) id: 57906027dd (このIDを非表示/違反報告)
彼方(プロフ) - かなかなさん» 初めまして、コメントありがとうございます!他作品も読んでいただいて嬉しいです、更新頑張ります! (2018年12月30日 22時) (レス) id: 93a2639ec6 (このIDを非表示/違反報告)
かなかな(プロフ) - 前作から読ませて頂いてました^_^今井君も片桐君も大好きです!応援してます。頑張って下さいね (2018年12月29日 10時) (レス) id: c55ba19e50 (このIDを非表示/違反報告)
彼方(プロフ) - すみれさん» 初めまして、コメントありがとうございます!ご期待に添えるよう更新頑張ります! (2018年12月29日 1時) (レス) id: 93a2639ec6 (このIDを非表示/違反報告)
すみれ(プロフ) - え、こんなの絶対面白いに決まってる……更新楽しみにしてます! (2018年12月28日 22時) (レス) id: 89ad3b6e7e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:彼方 | 作成日時:2018年12月26日 23時