前途多難な恋 ページ4
『ちょ、ちょっと待ってよ！！』
私はその背を追いかけ走り出したが、目の前に今井くんと一緒にいた男の子が飛び出してきて足を止めた。
谷「すいません！今は追いかけないでください！」
彼は深々と頭を下げると、自己紹介をしてくれた。
谷「自分は谷川と言います、失礼なんですが、お名前を教えていただいてもいいでしょうか？」
『谷川くんね、私はAAです。今は追いかけないでってどういうこと？』
谷「ええと、実は……」
谷川くんは申し訳なさそうに、その理由を教えてくれた。
なんでも、今井くんは今まで彼女ができたことがなく、告白しても惨敗続き。そんな時にこの前のことがあって、本人の中で整理がついていないらしい。
谷「今井さん、ある奴の罠じゃないかと疑ってて……申し訳ないんですけど、ちょっと落ち着いてからにしてあげて欲しくて……」
『そうなの……ええと、じゃあこれ渡しておいてもらっていいかな？この前のお礼にお菓子焼いたの』
谷「本当ですか！？疑ってはいても、今井さんすごく喜ぶと思います！」
それを聞いて安心した私は、谷川くんにお菓子を託して帰ることにした。
それにしても、今井くん誰に騙されてると思ってるのかしら？そんな手の込んだことする人いるのかな？
時間が空いてしまった私は、そんなことを考えながらバイト先の喫茶店に向かった。
『マスター！暇だから仕事させて！』
「ええ！？まぁいいけど……」
『ありがとうございます！』
うちは商店街からも駅前からも少し離れていて、あまり人気のある喫茶店とはいえない店だ。だから普段はマスターが一人でもなんとかなるし、私は週に三日だけしかここで働いていない。
それでもマスターは私を置いてくれて、こうして気紛れを言っても許してくれる。
制服に着替えて店に出る。お昼休みにくるいつもの常連さん達に今日いるなんて珍しいねと言われながら過ごせば、あっという間にもうすぐ退勤時間。
BARの仕事は六時からで、移動時間を考えるとあと三十分ばかりで出なくてはならない。
時計を気にしていると、カランカランとドアチャイムが鳴って、珍しく学生のお客さんが入ってきた。
すごいトゲトゲ頭の男の子と、可愛らしいスケバンぽい女の子。
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もも(プロフ) - とても良い作品ですね！また更新しますか？楽しみにしてます！！ (2019年6月26日 22時) (
レス) id: 57906027dd (このIDを非表示/違反報告)
彼方(プロフ) - かなかなさん» 初めまして、コメントありがとうございます！他作品も読んでいただいて嬉しいです、更新頑張ります！ (2018年12月30日 22時) (レス) id: 93a2639ec6 (このIDを非表示/違反報告)
かなかな(プロフ) - 前作から読ませて頂いてました^_^今井君も片桐君も大好きです！応援してます。頑張って下さいね (2018年12月29日 10時) (レス) id: c55ba19e50 (このIDを非表示/違反報告)
彼方(プロフ) - すみれさん» 初めまして、コメントありがとうございます！ご期待に添えるよう更新頑張ります！ (2018年12月29日 1時) (レス) id: 93a2639ec6 (このIDを非表示/違反報告)
すみれ(プロフ) - え、こんなの絶対面白いに決まってる……更新楽しみにしてます！ (2018年12月28日 22時) (レス) id: 89ad3b6e7e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：彼方 | 作成日時：2018年12月26日 23時
