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今井くんのパンケーキにだけ、デコレーション用のチョコソースで、お皿にハートを添えた。
『はい、お待たせ〜』
私がパンケーキを運んでくると、谷川くんが今井くんの隣に移動して、私の座るところを作ってくれた。
谷「本当は今井さんの隣って思うんですけど、この人まだ緊張してて……」
今「バカヤロウ!俺は!!緊張などしていない!!」
『ふふふ、大丈夫、お友達からだからね!』
言いながら席について、今井くんのパンケーキの向きを少し変えた。お皿のハートがよく見えるように。
今「!!」
ハートにすぐ気づいてくれた今井くんは、谷川くんのお皿にもあるかを確認するように、谷川くんの分のパンケーキをくるくると回していた。
谷「俺のにはないですよ!いいなぁ今井さん特別扱い!」
『谷川くんのにも今度は書いてあげようか?』
今「そ、そそそ、それはダメだぁ!それはダメですAさん!!この愛らしいハートは!!俺のモノだァ!!!」
『そうだ、二人とも私のこと苗字で呼ぶけど、名前でいいのよ?』
今井くんの発言が恥ずかしくて、誤魔化すように話題を変える。
谷「分かりました!あ、じゃあ今井さんのこともぜひ名前で呼んであげてください!」
『え!!あ、えと、うん、努力します……』
今「Aさ……いや、Aさん……俺を名前で呼ぶのは嫌ですか……」
『あ、あ、ちがっ違うの!』
しょんぼりしてしまった今井くんに慌てて、私はそれを否定した。恥ずかしいから、と正直に暴露すれば私も今井くんも顔が真っ赤になってしまい、谷川くんは呆れたように笑う。
谷「いや、もうさっさと付き合ったらどうですか?」
それは確かにそうなのだけど、今井くんも私を嫌いではないみたいだし……付き合ってみて知っていければ私はいいけど、今井くんはそうじゃないんだから待ってあげなきゃ。
『いいのよ谷川くん、今はお友達で』
今「Aさん……」
谷「はぁ、Aさん、今井さんのどこに惚れたんですか?」
『え!』
谷川くんは可愛い顔をしてどんどん爆弾を放り込んでくる。恥ずかしくてそんなの言える訳がない。
谷「正直、今井さんには勿体ないっす」
今「谷川ァ!!お前なんてことを!!はっ!まさか、お前本当はAさんを狙っているのかぁ!?」
谷「違いますよ!そりゃAさんは綺麗な方ですけど、俺は今井さんを応援してるんですから!」
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もも(プロフ) - とても良い作品ですね!また更新しますか?楽しみにしてます!! (2019年6月26日 22時) (レス) id: 57906027dd (このIDを非表示/違反報告)
彼方(プロフ) - かなかなさん» 初めまして、コメントありがとうございます!他作品も読んでいただいて嬉しいです、更新頑張ります! (2018年12月30日 22時) (レス) id: 93a2639ec6 (このIDを非表示/違反報告)
かなかな(プロフ) - 前作から読ませて頂いてました^_^今井君も片桐君も大好きです!応援してます。頑張って下さいね (2018年12月29日 10時) (レス) id: c55ba19e50 (このIDを非表示/違反報告)
彼方(プロフ) - すみれさん» 初めまして、コメントありがとうございます!ご期待に添えるよう更新頑張ります! (2018年12月29日 1時) (レス) id: 93a2639ec6 (このIDを非表示/違反報告)
すみれ(プロフ) - え、こんなの絶対面白いに決まってる……更新楽しみにしてます! (2018年12月28日 22時) (レス) id: 89ad3b6e7e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:彼方 | 作成日時:2018年12月26日 23時