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そうします、と言いかけたところでドアが開いた。そちらに視線を向ければ、私服に着替えた昼間の高校生二人組。
『いらっしゃい、早速来てくれたの？』
片「こいつが連れてけとうるさくてな」
相「腹減った」
『うち定食屋じゃないんだけどね』
笑いながらカウンターの端の席に案内して、メニューを差し出す。
『君は今日もナポリタン？』
片「その君ってのやめろよ」
『だって名前知らないもの』
片「……片桐だ」
『下のお名前は？』
私が尋ねると片桐くんはなんでそんなことを聞くんだという顔をしている。睨まれているというのが正解かもしれない。
相「こいつは智司、俺は相良猛」
片「おい、勝手に教えんな」
相「別にいいじゃねぇかよ。あ、俺カレーライス、あと烏龍茶」
『はい、猛くんはカレーとウーロンね、智司くんは？』
私が注文を繰り返して確認すると、二人は驚いた顔をしている。猛くんはケラケラと笑いだし、智司くんは眉間に皺を寄せ溜息をついた。
名前で呼んだのまずかったかしら？
片「……ナポリタン」
『と、オレンジジュース？』
片「あぁ……」
『智司くんはナポリタンとオレンジね、はいちょっと待ってて』
厨房に入り調理を始める。
ふと、今井くんのことは名前で呼ぼうと思わないのは何故だろうと疑問に思った。下の名前は彼が叫んだから覚えてる、今井勝俊それが彼のフルネームだ。
『勝俊くん、か……』
呟いてみると、ぼっと音でも上げそうなくらい顔が熱くなるのが分かった。無意識に恥ずかしいのを避けていたんだと思うと、余計に恥ずかしくなる。
恋をするのなんて久しぶりで、もう誰かを好きになることなんていかなって思ってた。まぁそれは大袈裟だとしても、本当に当分は恋なんてしないって思ってたのに。
『はい、お待たせ』
相「お、うまそ」
目の前に置かれた皿を見て、猛くんは目を輝かせた。見た目は悪そうだけど、中身は普通の高校生だなとなんだかホッとする。
智司くんは黙々と食べているけど、進みの早さから満足してくれているんだろうなと思った。
相「うめーけど、カレーじゃねぇみてぇ」
『一応BARだからね、お家や定食屋のカレーとは違うでしょ？』
相「ふぅん、まぁうめぇからいいや」
それから二人はあっという間に食べ終えて、物足りなさそうな顔をしているように見えたからサービスで唐揚げを出してあげた。
山盛り揚げたのに、あっという間になくなった。
『また何時でも来てね、営業してる日は私はいつも居るから』
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もも(プロフ) - とても良い作品ですね！また更新しますか？楽しみにしてます！！ (2019年6月26日 22時) (
レス) id: 57906027dd (このIDを非表示/違反報告)
彼方(プロフ) - かなかなさん» 初めまして、コメントありがとうございます！他作品も読んでいただいて嬉しいです、更新頑張ります！ (2018年12月30日 22時) (レス) id: 93a2639ec6 (このIDを非表示/違反報告)
かなかな(プロフ) - 前作から読ませて頂いてました^_^今井君も片桐君も大好きです！応援してます。頑張って下さいね (2018年12月29日 10時) (レス) id: c55ba19e50 (このIDを非表示/違反報告)
彼方(プロフ) - すみれさん» 初めまして、コメントありがとうございます！ご期待に添えるよう更新頑張ります！ (2018年12月29日 1時) (レス) id: 93a2639ec6 (このIDを非表示/違反報告)
すみれ(プロフ) - え、こんなの絶対面白いに決まってる……更新楽しみにしてます！ (2018年12月28日 22時) (レス) id: 89ad3b6e7e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：彼方 | 作成日時：2018年12月26日 23時
