出会い ページ2
昼休憩の為に、店の制服のまま近所のラーメン屋さんに行った帰りだった。
「おねーさん、そんなカッコで俺らのこと誘ってるの?」
なんて、頭の悪いナンパをされたのは。
彼らのいうそんなカッコとは、オレンジの膝上丈のワンピースに、フリルのエプロンといううちの制服のことだった。
高校生三人組で、子供だからと相手にするのも面倒で、無視して店に帰ろうとした。すると、一人に腕を掴まれ路地裏に引きずり込まれた。
『ちょ、ちょっとやめてよ!』
「やめてって言われてやめるくらいなら、こんな所に連れ込まねぇよおねーさん」
まぁそれもそうか。
頭の中は冷静だけど、この状況はかなりまずい。私は別に護身術とかも習っていないし、こいつらそんなに強くなさそうだけど勝てる気はしない。
あーお昼休み終わっちゃう、どうしよ。
「さ、楽しませてもらおうか」
『……!?』
男の手が私のシャツにかけられると、路地の入口を見張っていた男が飛んできて、後ろに立っていた男にぶつかった。
「なんだ、どうしたんがっ……!?」
目の前に立っていた男が吹っ飛んで行ったと思ったら、私を庇うように立った男の人がいて、私の視界はその人のジャケットの青色でいっぱいになった。
今「お姉さん、お怪我はありませんか」
『あ、はい!』
返事をしてからよく見れば、私を助けてくれた人も学生だった。学生鞄を投げ捨てると、指をポキポキ鳴らして彼は言う。
今「おいてめぇら、真昼間からこんな場所で女に手ぇかけるたぁ感心できねぇな」
「くそ、誰だてめぇ!」
鼻血を垂らしながら、男達の一人が言うと、彼は答えるよりも早く男の顔に蹴りを入れた。
今「俺はァ!紅高の番!!今井勝俊様だァ!!!」
谷「今井さん!もう伸びてますからそいつ!」
路地に飛び込んできた背の低い男の子が、追い討ちをかけようとする彼を止める。
今「はっ!情けないやつらめ!」
彼は転がっている男を蹴り飛ばすと、くるりと振り返りにっこりと笑った。その笑顔を見た途端、私は急に力が抜けてその場にへたりこんでしまった。
今「だ、大丈夫ですか!?きゅっきゅっ救急車が必要ですか!?」
谷「落ち着いて下さいよ、きっと怖かったんですよ」
今「お、おぉ、そうか。お姉さん、ご安心ください!もうこいつらは動けな……うぉっ!?」
気が付くと私は、手を差し伸べる彼に抱き着いていた。
『今井、くん?』
今「は、はい!?」
『私と、付き合ってください』
この日、私は恋に落ちた。
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もも(プロフ) - とても良い作品ですね!また更新しますか?楽しみにしてます!! (2019年6月26日 22時) (レス) id: 57906027dd (このIDを非表示/違反報告)
彼方(プロフ) - かなかなさん» 初めまして、コメントありがとうございます!他作品も読んでいただいて嬉しいです、更新頑張ります! (2018年12月30日 22時) (レス) id: 93a2639ec6 (このIDを非表示/違反報告)
かなかな(プロフ) - 前作から読ませて頂いてました^_^今井君も片桐君も大好きです!応援してます。頑張って下さいね (2018年12月29日 10時) (レス) id: c55ba19e50 (このIDを非表示/違反報告)
彼方(プロフ) - すみれさん» 初めまして、コメントありがとうございます!ご期待に添えるよう更新頑張ります! (2018年12月29日 1時) (レス) id: 93a2639ec6 (このIDを非表示/違反報告)
すみれ(プロフ) - え、こんなの絶対面白いに決まってる……更新楽しみにしてます! (2018年12月28日 22時) (レス) id: 89ad3b6e7e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:彼方 | 作成日時:2018年12月26日 23時