蒼色涙 (ページ3)

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高校生になって、自転車通学になった。
自転車から見える景色は、中学生の頃とちがって、少し広く、少し大人に見えた。
それも、1ヶ月。
1ヶ月も経つと、日常と化す。
それが、1年も、2年も続くと、憂鬱になってくる。

そんなこと、わかっているのに。

新しいものを見つけては、貪るようにみな、食らいつく。
バカだ。

教室の窓からの景色も同じ。
そう思いながら。

毎日1番に登校しては、窓からの景色を眺めてる。
なんの意味もないのに。

窓が大きくガタンと揺れた。
教室の扉が大きな音を立てて開いた。

「…はよー、あは、哀れなオンナノコは今日もお一人？」

この甘ったるい声は、カズだ。

「うるさいな」
「智、またおいてきたの？」

カズがゆっくりと隣に歩み寄ってくる。

「あれ、シャンプー変えた？」
「なんでわかんの？」
「んふふ、わかんの」
「きっもちわる」

目を合わせてなんて喋らない。
カズと、智と、私は幼馴染。
距離感は長い間変わらず。

「前の方がいいよ」
「あぁ、そう？じゃあこのままにする」
「可愛くないねー、相変わらず」
「可愛いなんて遠の昔に捨てたからね」

カズが、私の髪の毛に触れた。

「もったいない」

首筋に息がかかった。