Darling ! (ページ6)

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glitter / Ken.K ページ6

光で目が覚めて脳を覚醒させるようにぱちぱちと瞬きを繰り返すせば、昨夜抱きしめて腕の中に収めたはずの彼女がぽっかり消えていた。

『あ、おきた。おはよ』
｢ん…おはよ、化粧…？｣
『そー。え、まさか忘れてる？』
｢ぅぅん、覚えてるよ…デートやろ｣
『あ良かった。』

うとうとしながら聞こえた声の方を向いてAちゃんを見れば、アイメイクに入っていて大体化粧の半分が終わってるところやろう。
口角を上げて何色か目に重ねる色は俺からしたら同じ色に見えてる。

クローゼットに目を移せば今日着るであろう淡い紫のサマーニットが見えた。

｢…今は何してんの｣
『んー、ラメを悩んでる』
｢ラメぇ？｣
『きらきらのやつ。どっちがいい？』
｢……わからん…｣
『ふふ、言うと思った』

ベッド脇の眼鏡を掛けてちゃんと顔とラメを交互に見ても、その2色でそんな劇的な変化があるとは思えへん。
ちょっと薄いかちょっと濃いきらきらって事しか分からん。

好きな方をしたらいいと思うけど、それじゃあかんっていうのは雑誌で見たから……

｢…こっち、｣
『！わたしもこっちって思ってた！すごい！』
｢そうなん？｣
『そお！やるやん。』
｢せやろぉ、｣

喜ぶAちゃんを見届けながら起き上がって洗面所で顔やらを洗ったりして戻れば、化粧がほぼ終わったAちゃんの顔。
目には俺が選んだであろうラメが瞬きする度にきらきらしていた。

顔を近づければ手のひらでべたんっと押さえられる。

｢…んむぁ、…きす、｣
『…歯磨いた？』
｢…おん、｣
『嘘つけ。歯磨きの音聞こえてない』
｢ケチやな｣

ちゅ、とおでこにやらかい感覚。
まだ化粧終わってないから、とパッと鏡に向き直すAちゃんの頭を撫でた。

まあ、キスなら今夜にでも。なんならその先でも。