Darling ! (ページ3)

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light / Seiya.S ページ3

うっすら茜色に街が染まる時間に、お願いしまーすって言いながら助手席に乗り込んでくるAはいつもよりおしゃれで可愛くめかしこんでる姿に年甲斐もなくきゅんとしてしまう。

後ろにざっくりしたスリットの入ったタイトスカートがやけに大人っぽくて、こないだまで子供に見えてたのに不思議なもんや。

『すえくん？』
末｢あ、行こか？｣
『うん、お願いします。ありがとう』
末｢はいよ、｣

アクセルをぐっと踏み込んで今日は映えそうな展望スポットにデート。
今日行くところさあ、とか昨日はハンバーグ作った、とか他愛もない話がやけに楽しい。

『すえくん今日おしゃれやねぇ』
末｢そ？…Aもおめかししてるやん、可愛いで｣
『！んふふ、ほんま？ふふ、うれしい』
末｢…待ってた？｣
『ちょっと待ってた』
末｢…すぐ気づいたけど言うの忘れてた。｣
『ほんまかなあ？』

しばらく車を走らせれば辺りは暗くなってて、展望スポットの時間帯にぴったり着いた。
マスクして歩き出せばちらほらいるカップルが写真を撮っている。

末｢A、ここ段差あるから｣
『ありがと、ここ綺麗やね』
末｢な、綺麗やな｣
『…A、手』

目を丸くして、でも、って言うけど暗くてカップルばっかりの所なんかだーれも周り見えてへんからいけるっていう俺の持論。
控えめに手を差し出してきてくれる彼女の少し冷たい手をぎゅっと握る。

『へへ、うれしい、』
末｢おれも｣

仕事柄表立ってデートは出来ひんけど、Aのためならいっぱい喜んで貰えるように頑張るから。

ずっと一緒にいよう、なんて恥ずかしくて面と向かっては言えへんけど誓うように手を強く握りしめた。