不器用な僕たちは。 (ページ9)

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「…よし！集中！」

気持ちを切り替え編集室に戻りパソコンを開く

メールの返信を一通り済ませ、
明日の取材相手の情報収集を進めようと
資料を広げたところで飲み物がなくなっていることに気付き廊下の自販機へと進むと葉山と遭遇する

「さっきまじでありがと！今日夜、飯奢るわ」

「まじ？やったーお言葉に甘える～
…取材、もう終わったの？」

「いや、とりあえず写真のデータ置きに来ただけ！
あと少しインタビューが残ってる」

「そうなんだ、頑張って」

そう言って編集室に戻ろうとすると呼び止められる

「…飯の後、来る？」

その言葉の意味が分からないほど子どもでもないから

「んー…そうだね、そうする」

一瞬、なぜか海斗の顔が頭をよぎったけど
かき消すように葉山の顔を見ずに返事をした

葉山が編集室に入るのを見届けた後、

なんとなく戻りたくなくて近くのソファーに座って
レモンティーを開ける

今の私を海斗が知ったら、どう思うんだろうか

ぼんやりと考えていると人影が近づいて来た