不器用な僕たちは。 (ページ7)

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＂あの、どうしたんですか？＂

私の声に振り向いた顔はとても綺麗な顔立ちで
噂のジャニーズの子だと心の中で勘づく

＂あ、えっ…と、3年の教室ってどう行きますか？
兄に届け物したいんですけど、その…
僕、別の校舎でこっち初めて来て＂

人見知りなのかあまり目を合わせず言う姿に
アイドルなのに意外だなと思ったのを覚えている

＂そう、ですよね(笑)そこの突き当たりの
階段の方が教室は近いかも！3階です！＂

指差しながら説明すると

＂ありがとうございます！あ、名前…＂

＂Aです、多分同じ歳の1年生！＂

＂同じなんだ！ありがとう、Aちゃん。またね＂

また、なんてあるはずないと思いながらも
すごく纏う空気が心地よいなと感じた記憶があるし

実際、その後も校舎裏や玄関で会ったら話したり、
時間が合えば裏道から一緒に帰ったり

仲良くなって距離が縮まって

ただひたすらに高校生活を送っていた私たちが

＂俺さ、Aちゃんのこと好きです＂

恋人関係になるのも自然の流れだった