不器用な僕たちは。 (ページ36)

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宮近side

「ん…」

肌寒さに目が覚め時計を確認する

あと1時間くらい寝られるけど
もういいやと起き上がった

ふと隣を確認するとAの姿はない

＂だから私、海斗まで…＂

夜中、Aはそこまで言いかけて口を閉じた

その言葉を聞いて

俺は振られるのが怖くて、
ある意味Aの弱さに漬け込んで
虚しさで縛り付けているのかもしれないと思った

虚しさが積もってもいいから
少しずつ昔みたいに俺に振り向いて欲しくて
関係を持ったけど

「我ながら不器用だな～」

割と何でも卒なくこなす方だと思っていたけど
揺るがない事実に苦笑いしながら寝室を出る

リビングを見ると

ラップのかかった朝ごはんと共に

＂仕事前に家に寄るので帰ります＂と
メモ書きが置いてあった

「いただきます」

朝ごはんを食べながらスマホを開く

＂朝ごはん、ありがとう。いただきます。＂

そして追加で

＂俺たち、会うのやめよう＂

送信キーをタップしてスマホを閉じた