不器用な僕たちは。 (ページ35)

今日:9 hit、昨日:29 hit、合計:254,368 hit

35 ページ35

・

行為が終わり背中合わせにベッドに寝転がる

「一昨日ね、圭太…葉山から直接聞いたの」

気怠くなった腰をそっと触りながらつぶやく

海斗からの相槌はなく
起きているかも分からなかったけど

ひとりごとになってもいいやと言葉を紡ぎ始めた

「聞いた時に思ったのは
＂あ。本当に私は都合のいい女だったんだー＂って。
多分、本命の子はそんな扱い受けるはずないって。
今までも散々虚しい気持ちになってたんだけど、
いつのまにか虚しさを埋めるんじゃなくて
幸せを掴もうと努力していた彼を見て
置いていかれたなぁって思っちゃった」

「だから私、海斗まで…」

＂海斗までいなくなっちゃったら本当に悲しい"

その言葉はあまりに無神経だと心の中にしまう

「…なんでもない。おやすみ」

やっぱり海斗からの返事はないまま眠りについた