不器用な僕たちは。 (ページ33)

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「おじゃま、します」

「どうぞーおつかれ」

部屋に入り海斗を見る

「海斗が急に呼ぶなんて珍しいね」

昼間に葉山とのことを考えていたのを
悟られたくなくて自ら沈黙を破る

変な顔してないよね、言い方変じゃなかったよね

何もやましいことなんてないはずなのに
海斗の顔色ばかり伺う自分がいた

「そう？用事とかなかった？」

「うん、大丈夫。ただあの場だったから
ちょっとびっくりしちゃった」

「葉山くんも目の前にいたから？
彼女できたって言ってたし、
完全に忘れたかったんじゃないの」

淡々とそう言う海斗の表情は俯いててよく見えない

「海斗…？」

「好きじゃないなら、そうやって不安な顔すんなよ
俺といる時くらい俺のことだけ見てよ」

そう言って気付けば海斗に押し倒されていた

「ちょっと待って、かい…」

手首は強く固定され
私を見下ろす海斗の顔を見て思わず言葉を止める