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「は、い」
仕事場で面と向かってみんなの前で
話しかけられるのは初めてで流石に動揺する
「書類、落ちてましたよ」
「へ、あ、ありがとうございます」
「じゃ、僕も質問責めされてきます(笑)」
拍子抜けしているうちに
海斗が笑いながら去っていく
名前を呼ぶ声のトーンは何だったんだと
不思議に思いながら受け取った書類に視線を移すと
貼った覚えのない付箋に気付く
「っ…！」
その付箋には
��21:30��とだけ書かれていて
思わず勢いよく折り畳む
恐る恐る海斗の方を見ると
笑っているわけでもなく
ただじっとこちらを見ている海斗と目が合った
私は多分、海斗のあの目に弱い
何を考えているのか分からないような
だけど冷たさばかりじゃなくて
優しさとか熱意とか
欲、とか
色んなものを含んでいるあの目に捉えられて
結局また新しい虚しさを生産しに
今日も21:30に海斗の家に足を運ぶのだなと
身体の奥が少しだけ熱を帯びた
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作者名：ぷらむ
| 作成日時：2020年12月29日 1時
