不器用な僕たちは。 (ページ31)

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＂それともうひとつ、俺彼女できた＂

そう葉山から告げられたのは2日前。

「へえ、そうなんだ。おめでとう」

別に未練があるわけじゃない

葉山の言葉を聞いて率直に感じたことを伝える

「だからその…この前までみたいなのはもう、」

「分かってるよ、てか当たり前でしょ！
続けてたら引くわ！(笑)」

「そうだよな！…でもさ、ほんとありがと。
心の支えになってたのは本当だよ。」

＂おしまい＂という言葉をなんとなく聞きたくなくて
途中で遮り明るく振る舞った

元々、身体の繋がりで心を満たしていた私達にとって
相応しい終わり方だと心の底から思うのに

心のどこかで特別視されているんじゃないかと
思っていた事実に今になって気付く

本当に、自分は中途半端で最低だ。

そんなことを今日まで、
今日もずっと考えながら仕事をしていた

今だって、嬉しそうに報告なんかしちゃって。

この虚無感を背負って生きていく人が減って
自分が成長していないことを思い知らされる

なんで今日に限ってアシスタントなんだ、
そう思い移動しようとしたその時

「Aさん」

さっきまで
葉山と中村さんの会話に入っていたはずの海斗が

目の前で私の名前を呼んでいた