不器用な僕たちは。 (ページ30)

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宮近side

「葉山くんに恋愛系のインタビューされるの恥ず！」

スタジオに入るなり海人がそう叫ぶのが聞こえる

「まぁまぁ(笑)同じ歳だし、
男友達に話してるくらいの感覚でお願いします！」

足を進めると先に取材を受ける海人と
にこやかに笑う葉山くん

そして、

アシスタントで来ているらしいAが
葉山くんの後ろに立って書類の整理をしていた

「お疲れ様です。海人、声でけーから(笑)」

「宮近さん、お疲れ様です」

「葉山くんお疲れさまです！Aさんも」

椅子に座りながらAを視界に捉えると

＂おつかれさまです＂とだけ言ってすぐに目を逸らす

「いや海斗まじ恥ずいからこれ！
なんか今日めっちゃ聞いてくるし！
葉山くんなんなの、彼女でもできた！？」

どうやらインタビューで質問責めされたらしい海人が
何気なく葉山くんを茶化す

「実はそうなんだよ～、年下の子なんだけど
アイドルたちの恋愛観参考にしたいなってね！」

＂葉山くんまじ！？＂と別のメンバーも合流し
盛り上がる中で思わず耳を疑う

ちらりとAの方を見ると
特に顔色を変えることなく
淡々とその場で作業を続けていた

顔色を変えてはいないけど、

少しだけ切なそうな顔をするAを見て

「Aさん」

気付いた時にはAの名前を呼んでいた