不器用な僕たちは。 (ページ25)

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目が覚めふと隣を見ると

夢の中で「恥ずかしいね」と
一緒に笑っていた海斗が眠っていた

まつ毛の長い綺麗な寝顔を見ながら
ふと夜のことを思い返す

何度も何度も

会えなかった時間を

長年の後悔を消し去るかのように

お互いがお互いを求め合っていた

現在進行形で
別の人と関係を持っている私はともかく

高校の時や雑誌で読む海斗とはかけ離れた

＂らしくない＂姿に

きっと、お酒のせいだと言い聞かせる

「…そろそろ起きてもいい？」

じっと海斗の顔を見つめそんなことを考えていると
目を閉じたまま海斗が口を開いた

「起きてたの」

「途中で起きたんだけど
めっちゃ視線感じて起きるに起きれなかった」

前髪が少しかかった目を開け海斗が微笑む

「…おはよ」

「おはよ」

この日を境に、

短いキスひとつで
＂恥ずかしいね＂なんて笑って合っていた私達は

自分で自分を苦しめる大人になってしまった