不器用な僕たちは。 (ページ11)

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「…え、今から帰んの？」

ベッドで気怠そうに携帯をいじりながら
葉山が驚いたように話す

「明日も仕事だし、朝早く起きて家寄る方がだるい」

服を着ながら答えると後ろから抱きつかれる

「コンビニで買えるもん買えばいいじゃん」

「…帰る、じゃまた明日。」

外に出て1人静かにため息をつく

＂恋人＂という縛りがなくなって
寂しかったり、1人でいるのが辛いときに
葉山を頼って寂しさを埋める

向こうも多分同じで、
実際今日だって飲みに行った時は
仕事の悩みと不安を聞くことが多かった

社内ということもあるし都合のいい時に
寂しさを埋めてくれる関係くらいが多分私たちには
あっているけれどこうやって1人になった途端、
とてつもない虚無感に襲われる

「…で、またこの虚無感を埋めるために…の繰り返しなんだよね～」

あまりにも虚しい独り言を呟くと同時に
バッグの中でスマホが震えた