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「Aさんはもう俺のもの？」
「…うん」
宮近くんが愛おしそうに私を見つめる。
そして、その視線が私の唇に移り、
そっとお互いの唇が重なった。
宮近くんの柔らかい唇が何度も触れる。
啄むようなキスで脳内まで蕩けてしまいそう。
「A…」
1度離れたあと、宮近くんが呟いた。
「ずっと呼んでみたかった…」
言ってることは可愛いのに、表情は色っぽい。
初めて見るその表情に体中が熱くなる。
引き寄せられるように、また唇が重なる。
どんどん深くなっていくそのキスに、全身の力が抜けていくのを感じた。
宮近くんが私をさらに強く抱き寄せる。
「時間…大丈夫？」
「え、」
そうだった、忘れてた…
「もう23時過ぎてるけど」
「……」
「もう帰れないよね？てかこの状況で帰るなんて言わないよね？」
「…うん」
「まぁ、俺はここに連れてきた時点で帰すつもりなんてなかったけど」
そう言って笑う宮近くん。
そして、私の耳元に唇を寄せ、
「A、好きだよ…」
そう、囁いた。
射抜くような宮近くんの視線。
思わず身体が震える。
私を見つめる宮近くんの顔は息を飲むほど美しい。
綺麗な二重、長い睫毛、溢れ出る色気、、、
……無理だ。かっこよすぎて無理。
今までかわいいかわいい宮近くんだと思ってたのに
こんなにかっこいいなんて聞いてないよ。
一体この子はいくつの顔を持ってるの？
かっこよすぎて心臓が破裂しそう…
「どした？A」
宮近くんが私に優しく問いかける。
「宮近くんがかっこいい…」
思わず心の声が漏れた。
「は、なんだよそれ(笑)」
「かっこよすぎて無理…」
「今頃気付いたの？」
「てか、そんなこと言ったら俺だってAがかわいすぎて無理なんだけど？」
宮近くんが私の頬に手を添える。
「…だからさ、もういい？」
そう言った後、
私を見つめる瞳が鋭いものに変わり、
荒々しく唇が重なった。
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作者名：みい | 作成日時：2021年3月21日 17時
