年下のおとこのこ。2 (ページ35)

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「Aさんとこうやって2人で飲んだりするのってあんまなかったじゃん」
「たしかにそうだね」
「2人で食事するのも、あの時以来だし」
「そっか…」
「Aさん、駅で待っててくれてたよね」

あの時、
最後にどうしても伝えたいことがあって
2時間くらい駅で待っていた。

「あれはほんとびっくりしたよ」
「連絡先知らなかったし、駅で待つしかなくて」
「あの時俺めっちゃ嬉しかったんだよね」
「……」
「仕事で疲れてるのにわざわざ待っててくれたことも、俺に会いたいって思ってくれてたことも、プレゼントも…すっげぇ嬉しかった」
「よかった…ちょっと迷惑かなって思ってたから」
「そんなことないよ、嬉しかった」
「もう会えないかもって思ったから、最後に話したくて」
「その気持ちも、全部全部嬉しかったよ」

宮近くんが優しく微笑む。

「実際Aさんと一緒にいたのは半年くらいだったけど、俺にとっての高校の思い出は全部Aさんなんだよね」

そんなこと言われて、嬉しくないわけがない。

「それは言い過ぎじゃない？笑」
「ほんとだって(笑)友達との時間も部活も楽しかったけど、やっぱり1番思い出すのはAさんとの時間なんだよね」
「……」
「あの時もう諦めようって思って、全部思い出にしたつもりだった」
「……」
「でも、またAさんに会えた」
「……」
「あの時最後だと思ってたのに、また俺の目の前にAさんがいる」
「……」
「これは運命だと思ってるよ」

宮近くんの真っ直ぐな瞳が、
あの頃の高校生だった宮近くんと重なった。