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宮近くんの言った通り、料理はどれもすごく美味しかった。
宮近くんと一緒だから、尚更美味しい。


こんなおしゃれなお店知ってるんだ。

きっと、女の子と一緒に来たこともあるんだろうな。



「さっきの、誰?」

美味しい料理を堪能していたら、宮近くんがそう聞いてきた。

「同級生だよ」
「元彼?」
「…うん」
嘘をつく必要もないから正直に答えた。


「もしかして……、風磨って人?」


え、なんで
宮近くんに話したことあったっけ…


「知ってるの?」
「前にジンが話してたじゃん」

そういえば、神宮寺くんが知り合いだって言ってた。

「そっか、言ってたね」
「あの頃付き合ってた人?」
「うん…」


あの頃とは、宮近くんが高校生だった頃。


私が宮近くんを振った、あの頃。



「大人の男って感じだった」
「スーツ着てたからね」
「それだけじゃないよ、大人の余裕っていうか、俺じゃ勝てないなーって思った」
「そんなこと、ないよ」


宮近くん、さっき若いとか言われて、子供扱い的なことされたの気に障っちゃったかな…


「宮近くんだって、いつも余裕そう」
「そう?」
「見た目若いのになんか落ち着いてるし、そんなに年下に思えない。私の方が子供っぽい」
「そう見えてるなら計算通りだな」
「え?」
「Aさんといる時は、少しでも大人っぽくいようって、Aさんにつり合う男にならなきゃって必死だから」
「そうなの?」
「うん。余裕なんか全然ないよ、俺」
「全然そう見えないけど…」
「こう見えてめっちゃドキドキしてんの」

そう言って、照れくさそうに笑う宮近くん。
たしかにちょっと耳が赤くなってる。

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作者名:みい | 作成日時:2021年3月21日 17時

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