年下のおとこのこ。2 (ページ32)

今日:22 hit、昨日:1 hit、合計:100,264 hit

76 ページ32

休日、私はある場所に向かうためバスに乗った。

そして、駅である人を待つ。

さっきちょっと遅くなるってLINE来たからまだかな。

「……A？」

少しドキドキしながら待っていると、
誰かから名前を呼ばれ、顔を上げる。

「…風磨」

そこには、数年ぶりに会った風磨がいた。

「Aじゃん」
「びっくりした…」
「だな、久しぶり」
「久しぶり…よく気付いたね」
「なんか見たことある人いるなーって思ったらAだった」
爽やかに笑う、スーツ姿の風磨。

「仕事帰り？」
「うん。Aは？今日仕事休み？」
「そう、今待ち合わせしてて」
「…彼氏？」
「彼氏じゃないよ」
「ふーん。でも男でしょ？」
「男といえば男だけど…」
「やっぱり」
「なんでわかった？」
「なんとなーく。雰囲気で？」

私、そんなにわかりやすい？

ニヤニヤしながら笑う風磨。
「これから好きな人に会う表情してた」
「え…」
「違った？」
「…違うこともないけど」
「やっぱり(笑)」

風磨と話していると、少し離れたところに姿が見えた。

私と目が合って、こっちに近付いてくる。

「Aさん、おまたせ」
「宮近くん」
「え、待ち合わせって、この子？」

宮近くんが風磨を見てペコっと頭を下げた。

「そうだよ」
「へぇー…なんか、若くない？」

そりゃそうだよね…
宮近くん、私と違って若いもん。

「Aさんの弟の同級生です」
なんて言おうか迷っていると、代わりに宮近くんが答えてくれた。

「え、弟の？同級生？」

なんで弟の同級生と？って不思議に思ってるんだろうな…
さっき好きな人っぽいこと言っちゃったし…
ちょっと気まずい。

「ふーん、そっか。まぁ楽しんで」
「うん」
「じゃあな、A。また飲みに行こう」

そう言って、一瞬宮近くんの方を見て微笑んだ後、風磨は帰って行った。

…今の絶対わざとだよね

また飲みに行こうなんて

別れてから1度も会ってないし、飲みになんて全く行ってないのに。