年下のおとこのこ。2 (ページ29)

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見惚れていると、どんどん顔が近付いてきた

え、うそ……

宮近くんの長いまつ毛が影を落とす

私もそのまま…

と、思っていたけど何もない。

恐る恐る目を開けると、
宮近くんが怖い顔で私を見ていた。

「え、なに」
「今なんで目閉じた」
「だって…」
今のはそういう流れじゃないの？？
「これが俺じゃなかったら確実に食われてたよ」
「……。」
「これだからAさんは…危なっかしい」
「……。」
「他の男に絶対こんなことさせちゃだめ」
そんなの…わかってるよ…
「…宮近くんだからだもん」
「へ？」
「あ……」
つい、出ちゃった。

「もう……」
宮近くんの困った表情
「なんでそんな可愛いこと言うの…」
「……。」
「さっきそのままちゅーしとけばよかった…」
え……

ドキドキしていると、急に宮近くんが私から離れた。
「これ以上いると耐えられないのでもう帰ります」
「え、」
「ちゅーは、また今度にします」
「あ、うん」
「ふふ」
宮近くんがかわいく笑った。

「また誘うね」
「うん」
「今度は2人がいいな」
「…そうだね」
「じゃあ、またLINEする」
「うん、気をつけて帰ってね」
「またねー」

宮近くんが帰ってしまった。
離れていく背中を見つめる。
4年前の、あの最後の日と重なる。
なんだかすごく寂しくなって

「宮近くん！」
思わずその背中に声を掛けていた。

宮近くんがゆっくり振り向き、少し先で立ち止まる。

「宮近くん…」

「なに？」

「待ってて」
「え…？」
「もう少し待っててほしい」
「……。」

私の気持ちが伝わったかはわかんないけど
「わかった」
そう言って、宮近くんは笑ってくれた。

宮近くんは十分頑張ってくれた

もう頑張る必要なんかないよ

あとは、私の問題だから

もう少し待っててね。