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何度も何度も角度を変えて押し当てられる唇。
逃げようとすると後頭部をガシッと押さえられる。
中村くんの舌が私の唇を這う。
固く閉ざしていても、舌でこじ開けられてしまった。
「…ん、やだっ…」
「はぁ、」
「中村くんっ…」
中村くんの指先が身体のラインをなぞる。
それにビクンと反応してしまう。
「…えっろ」
「……」
「言っとくけど、誘ってきたのそっちだからね」
そう言う中村くんは、
今まで見たことのない男の顔をしていた。
腰をぐっと引き寄せられ、またキスが続く。
蕩けるような中村くんのキスで、だんだん酔いが覚めてきた。
私はバカで浅はかだった。
今ならわかる。
さっきの中村くんの言葉の意味が。
少し身体を押すと、離れる唇。
息が上がる私を、中村くんはじっと見つめていた。
「なんであいつと手繋いでたの」
「……」
「俺が来なかったらあいつと手繋いで一緒に帰って、それで家に誘って今頃あいつに食われてた?」
「そんなことない…」
「あいつも男だよ」
「……」
「少しは警戒しろよ」
中村くんの鋭い視線が刺さる。
「ねぇA」
「……」
「俺が今までどんだけ我慢してきたかわかってる?」
「……」
「酔っ払った状態で家に誘うなんて、襲ってくださいって言ってるようなもんだからね」
わかってる…悪いのは、私。
「またこういうことあったら、次はもう無理だから」
ちゅ、と短いキスを繰り返した後、強く抱きしめられる。
そして中村くんは帰って行った。
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aya(プロフ) - 好きなお話で更新停止してあるの残念ですね(;_;) (4月20日 21時) (レス) @page22 id: ff23500b61 (このIDを非表示/違反報告)
し - すごく素敵な作品!続きが楽しみです。 (12月13日 21時) (レス) @page22 id: 755d9d9841 (このIDを非表示/違反報告)
凛 - このお話が凄い好きです。更新待ってます!! (7月5日 23時) (レス) @page22 id: 8941b71605 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みい | 作成日時:2022年3月12日 1時