Confusion 2 (ページ6)

今日:3 hit、昨日:18 hit、合計:118,520 hit

55 ページ6

約束通り仕事終わりに千秋といつもの居酒屋に来た。

「で、中村となんかあったの？」

乾杯して少し談笑していたら、千秋がこう切り出してきた。
中村くんの名前なんて全く出てないのに。

「え、なんで」
「違った？」
「いや当たってるけど」
「やっぱりね。なんとなく今日の2人はいつもと違った気がしたから」
「どのへんが？」
「中村がAに対していつも以上にデレデレだった。いつもは隠そうとしてるけど」
「そんなにデレデレしてた？」
「うん。あれは誰が見てもわかるよ」
「……」
「中村ってわかりやすいじゃん。自分の好きな人とか親しい人に対しての態度全然違うよね」
「言われてみればそうかも…」

もしかして、気付いてなかったの私だけ？

「この前中村くんに言われたんだけど」
「うん」
「好きだって」
「へぇー、ついに言ったんだ」
にやにやしている千秋。

「千秋は知ってたの？」
「うん」
「いつから？」
「いつだっけなぁ……前に同期会でAが吉居くんに送ってもらってた時あったじゃん？」
「中村くんが異動してきてそんなに経ってない頃だよね」
「そう。その時Aと吉居くんが隣に座ってて、楽しそうに話してる2人を中村が怖い顔でめっちゃ見てたんだよね」
「……」
「でね、吉居くんってAのこと狙ってるらしいよって言ったの」
「え？中村くんに？」
「うん。まぁ実際狙ってるかはわかんなかったけど、中村がAにどのくらい本気なのかなって思って」
「……」
「そしたらやっぱり2人のとこ行ったでしょ？」
「思い出した…あの時中村くんにバカって言われた」
「でもちゃんとAのこと送り届けたって聞いて、ちょっと見直したんだよね」