Confusion 2 (ページ48)

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「Aさん、お客様です」

ある日の午後、仕事をしていると窓口から声を掛けられた。

私あてに誰か来るなんて珍しいな…と思って見ると、そこに立っていたのは全く知らない綺麗な女性。

誰だろう…
私の知り合いにあんな綺麗なお姉さんいないし。
前に受付したことある人かな？

疑問に思いながらローカウンターに向かう。

「いらっしゃいませ」
「……」
「どのようなご用件でしょうか…？」

話しかけても何も言わない目の前の人。
何も言わず、私の顔をじろじろ見てくる。

もし本当に知り合いだったら失礼だから、必死に思い出してみるけど全くわからない。

すると今度は、営業室の中を見渡して、
「いない…」と一言呟いた。

この人ほんとに何？
もしかして人違い？
思った人と違う人が来たから探してる？

「あの…」
もう一度声を掛けようとするとその女性が急に笑顔になって、

「これ、あなたの同期の中村海人くんに渡してください」

そう言って、カウンターに指輪を1つ置いた。

え？？

「この指輪…彼とペアリングなんです。この前私の家に来た時に忘れちゃったみたいで。なくさないでって言ったのに」
「はぁ……」
「あなたから渡してもらえますか？」
「え？」
「じゃあ、また」
「え！あの…ちょっと！」

そのままその女性は不敵な笑みを浮かべて帰ってしまった。

え……？えぇ？？

「Aさん、大丈夫でしたか？」
「大丈夫だけど…」
「なんか今の人不思議でしたね」
「うん…」

これは、どういうこと…？